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企業における『リスキリング』『学び直し』の推進に関する実態調査|企業の取り組み実態や課題とは

2024.01.16

企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:山﨑淳)は「企業における『リスキリング』『学び直し』の推進に関する実態調査」を実施し、182社の人事・人材開発の責任者・担当者から回答を得たと発表した。政府が5年で1兆円を投資することを表明するなど、国を挙げての支援が進むなか、企業の「『リスキリング』や『学び直し』の取り組み状況」「推進課題や推進の為の支援策」などの実態を明らかにした。
※本調査では新しい知識・スキル獲得を会社が主導する場合を「リスキリング」個人が主導する場合を「学び直し」として用語を使い分けている

調査結果詳細はこちら

「リスキリング」「学び直し」への期待と従業員への発信

「リスキリング」「学び直し」への期待と従業員への発信

同社の調査によれば、経営やマネジメント層から「リスキリング」「学び直し」への期待がある企業は6~8割であると判明。一方、具体的なメッセージが発信されている企業は4割前後にとどまることも明らかになっており「期待はあるが具体的なメッセージがない」状況にある企業は3割前後となった。

「リスキリング 」に関して従業員へ発信するメッセージ内容については、メッセージを出している企業の7~9割前後が「2.会社が今後起こりうる変化に備えるために必要なこと」6~7割前後が「3.自社が新しい事業や市場を創造するために必要なこと」を選択。「8.個人のキャリアの可能性を広げる手段となるもの」とメッセージする企業も半数前後あることがわかった。

個人主導の「学び直し」に関しては、個人のキャリア形成のためとメッセージするか、会社の事業変革のためとメッセージするか、回答企業の傾向は分かれている。

「生産性向上」「DX」「キャリア自律」の知識・スキル獲得に取り組む企業は半数以上

「生産性向上」「DX」「キャリア自律」の知識・スキル獲得に取り組む企業は半数以上

「リスキリング」「学び直し」の知識・スキルの内容ごとの取り組み状況としては「1.現在の担当業務の生産性を向上するための知識・スキル獲得」「6.DXを推進するための 知識・スキルの獲得」「12.従業員の自律的・主体的なキャリア形成のためのスキル獲得」の選択率が高く、実施企業の割合が全体で半数を超えることが明らかになった。

成果実感の割合が5割を超えるのは「1.現在の担当業務の生産性を向上するための知識・ スキル獲得」「10.社内・グループ内の公募異動や副業制度などを通じたキャリアチェンジのためのスキル獲得」である。

今後検討が多いのは「シニアのキャリアチェンジ」「新戦略実行」「新規事業」のための知識・スキル獲得となった。

促進のための支援策は「管理職のマネジメント能力の向上支援」が最多

促進のための支援策は「管理職のマネジメント能力の向上支援」が最多

本調査結果によれば、導入率の平均が5割以上の「リスキリング」支援策は、導入率が高い順に「16.管理職のマネジメント能力の向上支援」「2.教育訓練プログラムの提供」「13.目標管理制度などを 通じた、個人目標と組織目標の連動の担保」「5.費用面での支援」である。「2.教育訓練プログラムの提供」「5.費用面での支援」は「学び直し」支援としても平均して半数以上の企業に導入されている。「学び直し」支援としての導入率が「リスキリング」より高いのは「5.費用面での支援」「4.休暇制度の整備による時間面の支援」であった。

まとめ

従業員に新しい知識・スキルの獲得を求める企業は6〜8割に及ぶものの、従業員へメッセージの発信ができている企業は少ないようだ。なぜ求められているのか、その背景や企業としての本気度が従業員に伝わらなければ、従業員のモチベーションは上がらないだろう。従業員の「学び」に対して何を伝え、どう支援していくか、改めて検討してみてはいかがだろうか。