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OJTの課題「担当者によるバラつき」がトップ ALL DIFFERENT

2025.05.19

ALL DIFFERENT株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り®︎」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所®︎は、2024年10月~2025年2月の期間で、企業の人事の責任者・担当者302人を対象に意識調査を実施。新入社員の定着と成長には、組織の「育てる力」も重要だとして、若手社員の育成(OJT)に関する実態を調査・分析した結果を公表した。

調査概要

調査対象者:同社サービスを活用している企業の人事責任者・人事担当者
調査時期:2024年10月~2025年2月
調査方法:Webでのアンケート調査
サンプル数:302人
出典元:【人事部の意識調査(OJT編)】人事が感じるOJTの課題 第1位「OJT担当者のやり方にバラツキ」| ニュースリリース |組織開発・人材育成(ALL DIFFERENT株式会社)

新入社員・若手社員の最大の課題は「主体性・積極性」

新入社員・若手社員の最大の課題は「主体性・積極性」

本調査ではまずはじめに、新入社員と社会人2~3年目の若手社員のそれぞれについて、知識・スキルや業務への姿勢で課題に感じることがあるか質問。その結果、どちらも「主体性・積極性」という回答の割合が最も高くなったという。

2位以降の結果について、新入社員では「メンタルタフネス(26.2%)」「報連相(20.9%)」が、社会人2~3年目の若手社員では「成長意欲(30.8%)」「目的・目標の理解(25.8%)」が続いたことも報告されている。

OJTの課題は「担当者によってOJTのやり方にバラつきがある」

OJTの課題は「担当者によってOJTのやり方にバラつきがある」

次に本調査では、新入社員や若手社員の育成に重要な手法の1つであるOJTに対する人事の考えを明らかにした。

まず、OJTを実施しているか質問したところ「OJTは実施していない」と回答した割合が1割以下となり、9割以上の企業がOJTを実施していることが判明したという。

続いて、実施している場合の課題は何かと尋ねる項目では、従業員規模問わず「OJT担当者によってOJTのやり方や精度にバラつきがある」が最大の課題であることが明らかになっている。次いで「OJTの全体像やゴール、育成計画がなく、場当たり的になっている」が続き、その割合は従業員規模が小さい企業ほど課題を感じる傾向にあることが報告された。

3位以降の結果は従業員規模別に違いがみられている。
100人以下企業 「適切に指導できるOJT担当者が足りない」35.3%
101~300人企業 「人事はOJTに関与しておらず、課題がわからない」36.7%
301~1000人企業 「OJT担当者任せになっており、各部署内でのフォローやサポートがない」34.8%
1001人以上企業 「人事はOJTに関与しておらず、課題がわからない」28.9%

OJTの改善策「具体的な内容を検討していない」が3割超

OJTの改善策「具体的な内容を検討していない」が3割超

本調査では最後に、OJTの課題に対してどのような改善策を検討しているか質問。その結果、企業の従業員規模問わず、3割以上の人事部が「具体的な内容はまだ検討していない」と回答したことが明らかになっている。

改善策を検討している企業の結果を見ると、従業員規模でその内容に違いがあることがわかる。100人以下企業では「育成対象者の目標を明確にする(34.3%)」が目立ち、その割合は従業員規模が大きい企業ほど低い割合となっている。一方で101人以上の企業では「OJT担当者のトレーニングを行う」や「人事とOJT担当者との連携を密に行う」の回答割合が高いという結果に。また、1001人以上企業では「OJT担当者の心構えを醸成する」が最大の結果となり、他の群に比べ突出した結果となっている。

まとめ

本調査により、若手社員やOJTの取り組みに対して人事担当者が抱える課題が明らかになった。一方で、OJTの課題に対して具体的な対策に取り組めていないという企業も一定数みられており、優先度の低い取り組みとなっている実態もうかがえる。

多くの人事担当者が若手社員に対して課題だと感じている「主体性・積極性」を高めていくためにも、より効果的なOJTを実施する必要があるだろう。同社は単純に業務を覚えてもらうということだけでなく、若手社員が自ら意見することや、自身の考えで判断することを目標とすることが重要だと指摘する。

課題のトップに「担当者によるバラつき」が挙げられたことから、OJTを現場任せにするのではなく、計画を立てる段階から人事担当者とOJT担当者が一緒に取り組んでいくことも重要だと考えられる。改めて自社のOJTについて、取り組み方や今後の計画を見直す機会としてみてはいかがだろうか。