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大手企業の女性課長で「より上位の役職に就きたい」は47.7% リクルートMS調査

2025.06.02

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:山﨑淳)は、主に上場企業に勤める女性課長483名、および管理職一歩手前の等級・グレードにある社員437名に対し「大手企業の女性社員の昇進に関する調査」を実施。近年、政府や企業の重要課題として掲げられる女性の管理職登用について、当事者である女性社員自身の意識や取り巻く環境を明らかにした。

調査概要

調査名:大手企業の女性社員の部長・課長昇進に関する調査
調査目的:大手企業(主としてプライム企業)の女性の課長および管理職一歩手前の方の昇進に関する実態を把握する
調査時期:2025年3月
調査形式:インターネット調査
回答人数:920名
設問:リッカートまたは単一回答 68問  複数選択式 1問  自由記述 3問
出典元:「大手企業の女性社員の昇進に関する調査結果」を発表(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)

女性が管理職になりやすい組織となりづらい組織が存在

女性が管理職になりやすい組織となりづらい組織が存在

本調査では、すでに女性管理職がいる組織、女性比率が高い組織など、女性が管理職になりやすい組織となりづらい組織が存在するとの想定が報告されている。

そうした中で同社は、女性の昇進意欲について調査。さらなる昇進を目指す「より上位の役職に就きたい(あてはまる・どちらかといえばあてはまる)」と回答した女性課長は全体の47.7%に及んだという。一方、管理職手前の等級・グレードにある女性(課長手前)の課長職への昇進意欲は、29.0%にとどまることが明らかになった。

また「会社から昇進を打診された場合に引き受けるか」という設問には、管理職志向高の、女性課長の88.4%、管理職志向高の女性課長手前の76.6%が「引き受ける(あてはまる・どちらかといえばあてはまる)」と回答したという。

さらに、管理職志向高の、女性課長の92.9%・女性課長手前の86.7%は「一緒に働く人たちから、より『上位の役職に就いてほしい』と言われたら、やる気になる(あてはまる・どちらかといえばあてはまる)」と回答したこともわかった。

昇進意欲を高めるのに重要なのは

昇進意欲を高めるのに重要なのは

本調査によれば、部長昇進を希望する女性課長は、自身の職責に対して高い達成感と自己効力感を有しているようだ。特に同社は、部長と課長の役割に大きな差を感じていない点に注目。現在のポジションで培った経験やスキルがそのまま上位職でも通用すると認識しているとの推察から、役割拡大への心理的ハードルが低い状態にあると分析した。

また、自己効力感は職場内の人間関係、特に直属の上司との関係性とも密接に関連しているとの分析結果も報告されている。昇進志向が高い層では「上司の支援的行動」「上司の信頼・満足度」といったカテゴリのスコアが高いという。

なお、昇進の意思形成においてはこれまでに経験してきた業務の「幅」や「質」も重要な要素となっているようだ。現在の勤務先で「どのような経験を積んできたか」を尋ねた設問に対しては、女性課長のほうが男性課長よりも多くの項目で「経験あり」と回答したことが明らかになった。

さらに、昇進意欲を高める要因としては「1.年収が上がる」が最も高く「2.自分が成長できる」や「3.やりたい仕事ができる」は管理職とそうでない人によって異なる結果が報告されている。一方で、意欲を下げる要因としては「11.時間外労働が増える」や「10.心理的負荷が増す」「9.転居を伴う異動(転勤)をする可能性が上がる」などが多く挙げられたという。

まとめ

まだまだ道半ばとも言える女性の管理職登用。本調査では管理職一歩手前の状況にある女性のうち、昇進意欲があるのは3割程度と低い割合であった。しかし、周囲からの後押しや上司からの支援、そして様々な経験が、昇進意欲の向上につながるとの結果も報告されている。

女性管理職登用の促進は、組織の活性化や多様性の実現など、企業に様々なメリットをもたらす取り組みでもある。改めて今後の取り組みについて検討する機会としてみてはいかがだろうか。