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仕事を通じ「安定した生活」を望む新入社員は過去最高の65.6% ALL DIFFERENT調査

2025.06.06

ALL DIFFERENT株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:眞﨑大輔)およびラーニングイノベーション総合研究所®︎は、2025年3月25日~4月24日の期間で、2025年度入社の新入社員 3933人を対象に「新入社員意識調査」を実施。過去11年間の新入社員に実施した回答結果と比較し、今年度の新入社員の特徴を明らかにした。

調査概要

ラーニングイノベーション総合研究所「新入社員意識調査2025(3933人の仕事の価値観編)」
調査対象者:同社が提供する新入社員研修に参加した 2025年入社の新入社員
調査時期:2025年3月25日~2025年4月24日
調査方法:Web・マークシート記入式、または自記式でのアンケート調査
サンプル数:3933人
出典元:【新入社員意識調査2025(3933人の仕事の価値観編)】 仕事を通じて成し遂げたいこと「安定した生活」12年間で過去最高| ニュースリリース |組織開発・人材育成(ALL DIFFERENT株式会社)
※各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外とする
※構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がある

仕事を通じて成し遂げたいこと「安定した生活」過去最高に

仕事を通じて成し遂げたいこと「安定した生活」過去最高に

本調査ではまずはじめに、2025年度の新入社員に対し、仕事を通じて何を成し遂げたいか質問。その結果「安定した生活を送りたい(65.6%)」が最も高く、次いで「自分を成長させたい(50.1%)」「家族に恩返しをしたい(44.9%)」が続いている。

同社は新入社員が仕事を通じて成し遂げたいことについて、2017年度から9年間、各年度の新入社員に質問をした結果を比較。「安定した生活を送りたい」と回答した新入社員の割合は、2019年度の54.3%を境に年々増加傾向にあり、2025年度は65.6%と過去最高の割合になったと報告した。一方で「自分を成長させたい」と回答した新入社員の割合は、2020年度の64.1%を境に減少傾向にあり、2025年度は過去最低の50.1%になったという。

なお、今後どのような仕事に取り組んでいきたいか尋ねる項目では「楽しくてやりがいのある仕事(69.1%)」が突出した結果となっている。2019年度から7年間の比較では、同項目の1位は変わっていないという。

新入社員が考える働き方と時間の使い方

新入社員が考える働き方と時間の使い方

次に本調査では、今後3年間の会社での労働時間についての考えを質問。その結果「定時に帰りたい(44.6%)」「週に2~3回の残業までなら構わない(38.7%)」が上位に挙げられたという。2014年度から12年間、各年度の新入社員に質問をした結果を比較すると、2025年度に「定時に帰りたい」と回答した割合は、11年前の2014年度よりも17.2ポイント高くなっている。また「仕事・成長のためにできるだけたくさん働きたい」と回答した割合は、2014年度の21.2%から半数近く減少したことがわかった。

続いて本調査では、新入社員が考える20代の時間の使い方について「仕事」「プライベート」「自己投資」の優先順位を質問。その結果、約4人に1人が「仕事とプライベート優先(26.6%)」と回答し、次いで「仕事とプライベートと自己投資をバランス良く(19.1%)」「プライベート優先(18.5%)」が続いている。

「プライベート優先」と回答した新入社員の割合は、2014年度の4.5%から徐々に増加しており、2025年度は4倍以上の回答割合を示している。また「仕事とプライベートと自己投資をバランスよく」「仕事と自己投資優先」と回答した人の割合は、2014年度から2025年度にかけて半数近く減少したことがわかった。

まとめ

新入社員が仕事を通じて成し遂げたいことや、働き方と時間の使い方に関する考えに、さまざまな変化が起こっていることが明らかになった。「自身の成長」よりも「安定した生活」を望み「仕事」よりも「プライベート」を優先したいと考える人が多いという結果を、育成担当者はどのように受け止めるべきなのだろうか。

同社は昨今の新入社員について、世の中の大きな変化を目の当たりにしてきたことで、安定を求める価値観が高まっていると分析。仕事における自身の成長が安定した生活に寄与するという認識につながっていない可能性を指摘しており、育成において2点の取り組みを推奨している。

1つ目はコミュニケーションの工夫だ。日常的な声掛けや、本音を引き出すオープンクエスチョンでの質問の重要性について提言した。2つ目は、自分で考える力を養う支援だという。業務の目的や意義を共有することや、相談されたことに対して考えさせる質問を返すなどの工夫が必要だとしている。

時代の移り変わりとともに変化している新入社員の価値観。その本質を理解し、適切な育成方法をとっていくことが、離職防止に向けた重要な取り組みとなりそうだ。参考にしていただきたい。