2026年度新入社員の初任給「全学歴引き上げ」75.6% 労務行政研究所調査
民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所(理事長:猪股宏)は現在、今年4月の新卒入社者の初任給を調査。4月9日までにデータを得られた東証プライム上場企業205社について、速報集計の結果を発表した。
調査概要
調査項目:2026年度の賃金見直しによって確定された2026年4月入社者の決定初任給(学歴別)
※初任給は原則として時間外手当と通勤手当を除く、諸手当込みの所定内賃金であり、固定残業代(時間外労働等一定分の定額支払い)は除いて集計している
調査時期・方法:3月下旬に調査票を発送、併せて電話による取材も行い、4月9日までに回答のあった分を集計
調査・集計対象:東証プライム上場企業のうち1543社に調査票を発送し、回答のあった205社を集計
出典元:2026年度 新入社員の初任給調査(一般財団法人 労務行政研究所)
2026年度の初任給水準は大学卒で26万5708円
本調査によると、東証プライム上場企業の全産業ベース(205社)で、初任給を前年度から「全学歴引き上げ」た企業は75.6%だった。25年度速報集計時の83.2%からは7.6pt低下したものの、約4分の3を占めている。なお「全学歴据え置き」は21.5%で、25年度速報集計時の14.2%から7.3ptの上昇となった。
また、全産業で見た学歴別の初任給水準は「大学卒(初任給に差を設けず、一律設定の場合。以下:一律):26万5708円」「大学院卒修士:28万2645円」「短大卒:23万1975円」「高校卒(一律):21万7981円」だった。
大学卒(一律)では、前年度から「引き上げ」が85.6%で「据え置き」が14.4%となった。引き上げた場合の上昇額としては「1万~1万2000円未満」が20.7%で最多となり、平均上昇額は1万6754円となった。
まとめ
企業の人材確保競争が引き続き激化しており、初任給引き上げが“特別な施策”ではなく、標準的な採用戦略になりつつあることがうかがえる結果となった。特に東証プライム上場企業の約4分の3が、全学歴で初任給を引き上げていることからも「若手人材獲得への危機感」が感じられる。
初任給の上昇は既存社員との賃金バランスや評価制度にも影響を及ぼすため賃上げ対応だけでなく、人事制度全体の整合性を見直す必要がある。特に中堅層との逆転現象やモチベーション低下を防ぐためには、役割・成果に応じた処遇設計やキャリア支援を合わせて進めることが重要となるだろう。
「採用のための初任給」だけでなく、「定着・成長につながる報酬設計」へと視点を広げ、総合的な人材戦略として賃金制度の再構築が求められている。












