「新卒採用」充足のカギは選考の「質」と「個別対応」 リクルートMS調査
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区 代表取締役社長:山﨑淳 )は、企業における新卒採用の実態と課題を明らかにすることを目的に、2026年卒採用を対象として「新卒採用選考プロセスとフォローについての実態調査」を実施した。
調査概要
「新卒採用選考プロセスとフォローについての実態調査」
調査目的:新卒採用における選考プロセスとフォローの運用および課題について実態を把握する
調査対象:自社で正社員の新卒採用を毎年行っている(2026年卒採用も実施している) 企業において、正社員の新卒採用に関わっている、人事を管轄する部署の役員~担当者(一部の業務にのみ関わっている方を除く)および経営責任者
調査日: 2026年1月5日~2026年1月15日
調査手法: Web調査会社を用いたインターネット調査
本調査対象数:1205
回収数:1068(回収率88.6%)
有効回答数:967(回収サンプルの内、極端に回答時間が短いもの、実際に行っているとは考えにくい内容を回答しているものを除外)
出典元:「新卒採用選考プロセスとフォローについての実態調査」の分析結果を発表(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)
新卒採用の課題と選考プロセスの現状
本調査の結果、採用課題は「人数確保」と「人事負担の軽減」が中心になっていることが明らかになった。一方で「現場の協力を得ることが難しい」「採用プロセスの効率」といった項目は低い割合を示した。
選考プロセスは平均4.1ステップで、企業規模が大きくなるほどステップ数が増加傾向にあることが判明。選考内容としては書類選考や適性検査、グループディスカッション、複数回の個人面接などを組み合わせて実施されていた。特に個人面接の比重は大きく、複数回にわたって評価機会を設けている企業が多いことがうかがえる。面接では「人柄」と「自社への適合・定着」が重視されている。
選考プロセスの見直しを、過去3年間で実施した企業は約3割。その結果、6〜7割の企業が効果を実感していた。
「構造化面接」「AI面接」新しい手法の導入状況
続いて、面接官による質問と評価観点を共通化し、応募者の行動について問う「構造化面接」の導入状況について質問。評価精度向上のエビデンスがある手法だが、導入する企業は約4分の1にとどまっており、現場での運用負荷が普及の壁になっていることがわかった。
また、AI面接の導入は17.6%となったが、選考プロセスへの本格的な組み込みは2.7%。しかし、今後の導入については約4分の1が検討しており、特に企業規模が大きいほど、導入・検討ともに進んでいる傾向がみられている。
「質」と「個別対応」が採用充足を左右している
次に、採用充足状況について調査。500名未満の企業では未充足が4割台後半、500名以上では3割台となっており、一定程度の規模の影響はみられたという。しかし、同一規模内でも結果にはばらつきがあり、採用充足は企業規模だけでは決まらないと推察される。
調査結果によると充足企業には、選考プロセスを構成する要素ごとに振り返りを実施し、継続的に改善を重ねている特徴があるようだ。
また、アトラクト(応募者の惹きつけ・志望度向上)施策は「実施の有無」より「質」が成果を左右していることが判明。充足している企業と未充足の企業を比較すると「自己理解を促すコンテンツ・機会の提供」「志向に合わせた面談社員のアサイン」など、施策自体よりも内容に関わる事項の実施率が高いことが明らかになった。
まとめ
新卒採用においては、単なる母集団形成や選考数の確保だけでなく、選考フローの質や応募者一人ひとりへの個別対応が採用充足を左右している実態が明らかになった。特に、自己理解を促す機会の提供や志向に合わせた面談対応など、応募者体験を重視した企業ほど成果につながる傾向がみられている。また、構造化面接やAI活用など、新たな採用手法の導入も徐々に進みつつある。
これらの結果からは、採用業務の効率化だけでなく、候補者との接点品質向上や選考データの活用を含めた採用戦略を検討していくことの重要性が改めて示唆されたと言えるだろう。選考プロセスの定期的な振り返りと改善を行い、企業規模に依存しない“選ばれる採用体験”の構築を進めていきたい。










