2026年5月飲食料品値上げ70品目、ラッシュ再燃の兆し TDB調査
株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2026年5月以降における飲食料品の値上げ動向と展望・見通しについて分析を実施。2026年5月の飲食料品値上げは、合計70品目にとどまったことを報告した。
2026年1〜9月の値上げは6290品目で前年比6割減
TDBによると、2026年5月単月の飲食料品値上げは計70品目にとどまり、値上げ1回あたりの平均値上げ率は月平均13%前後に。単月の値上げ品目数が100品目を下回るのは、今年1月以来4カ月ぶり。食品分野別では、チョコレート菓子など「菓子」が最も多い38品目となっている。
また、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした2026年の値上げは、1~9月の累計で6290品目に。年間の値上げ品目予定が1万品目を超えていた前年同時期(2025年4月調査時、1万4409品目)と比べると、前年比6割減ペースでの推移だ。5月以降の推移では、6月(906品目)・7月(952品目)ともに単月当たり1千品目を下回っているほか、8月以降でも前年水準を下回っている。
1回当たり平均値上げ率は15%と、前年通年(15%)と同程度の水準で推移している。食品分野別では、マヨネーズ類やドレッシング類などの「調味料(2053品目)」が最も多く、次いで「加工食品(1993品目)」「酒類・飲料(1074品目)」が続いている。
値上げ要因は「原材料高」が最多 中東情勢悪化の影響も
値上げ要因としては、特に原材料などモノ由来の値上げが多くを占め「原材料高」の影響を受けた値上げは99.6%と、集計を開始した2023年以降で最も高い水準になった。
また「包装・資材(69.9%)」は前月を上回ったほか、4月調査時の水準としては前年(60.2%)も大幅に上回り、年間では2023年以降で最高ペースで推移している。従前から続いた資材高の影響を受けた値上げが中心だったものの、中東情勢の悪化に伴う包装資材費の高騰による値上げが出始めている。
そのほか「物流費(73.6%)」「エネルギー(59.5%)」「人件費(49.4%)」は、前月調査時から低下がみられている。2026年内における「人件費」由来の値上げは、最も高い割合を占めた2月時点(66.2%)から低下傾向が続き、全体の半数を下回って年内としては最低だったことが判明した。
出典元:「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年5月(株式会社帝国データバンク)
※品目数および値上げは、各社発表に基づく。また、年内に複数回値上げを行った品目は、それぞれ別品目としてカウント
※値上げ率は発表時における最大値を採用。なお、価格据え置き・内容量減による「実質値上げ」も対象に含む
まとめ
物価高や人件費上昇が続く中で、食品値上げの勢いが一時的に落ち着きを見せている。企業のコスト負担が軽減されたというよりも“値上げ疲れ”を踏まえた慎重姿勢の表れともいえそうだ。
一方で、原材料高や包装資材費、物流費など構造的なコスト増は依然として高水準である。特に中東情勢悪化による資材価格への影響など、再び値上げラッシュが強まる可能性も示唆されている。
企業としてはコスト削減ではなく調達・在庫・価格改定・利益管理を横断的な見直しが求められる、厳しい局面といえる。
価格転嫁も視野にいれた、仕入先分散や業務効率化、データを活用した収益管理など、中長期視点での経営基盤強化に注力したい。









