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25年度「早期・希望退職」09年度以降で4番目の高水準 TSR調査

2026.05.14

株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は『会社情報に関する適時開示資料』など東京商工リサーチの独自調査に基づき、早期・希望退職募集の具体的な内容を確認できた上場企業を対象に集計を実施した。

調査概要

調査対象:早期・希望退職募集の具体的な内容を確認できた上場企業
※ 『会社情報に関する適時開示資料』など東京商工リサーチの独自調査に基づく
出典元:2025年度の「早期・希望退職」 は2万781人 約7割が「黒字リストラ」、2009年度以降で4番目の高水準(株式会社東京商工リサーチ)

46社で2万781人の「早期・希望退職募集」

46社で2万781人の「早期・希望退職募集」

TSRの発表によると、2025年度に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は46社(前年度51社)で、人数は2万781人と前年度(8326人)の約2.5倍に急増。社数は前年度から9.8%減少したものの、募集人数は2009年度以降で4番目の高水準となっている。

大手メーカーの大型募集が相次いでおり、直近決算で黒字が約7割に達している。「業績が堅調な企業ほど将来の事業転換や人員構成などを見越した『黒字リストラ』に早期に着手している点が特徴だ」とTSRは解説する。

中高年を対象にした募集が加速しており、三菱ケミカルグループは50歳以上の1273人、明治HDは50歳以上の44人が応募した。また、シャープは売却予定だった工場の譲渡が不成立となったことを受けて、対象の従業員1170人に社外転進支援プログラムを実施している。競争力強化が急務となっている製造業は、事業改革に追われているようだ。

TSRが今年4月に実施した調査では、大企業の59.1%が生成AIを組織的に活用しており今後は事務職、管理職を対象にした「AIウォッシング」の広がりも懸念されている。こうした動きを受けてTSRは 「今後も製造業を中心に、他産業でも事業計画や人員構成の見直しによる「早期・希望退職」募集の動きは広がるとみられる」との予測を示した。

まとめ

黒字企業による早期・希望退職募集が約7割を占めており、企業の人員最適化は“業績悪化時の緊急対応”ではなく、将来の事業転換や生産性向上を見据えた戦略的施策へと変化している様子がうかがえる。

また、生成AI活用の広がりに伴い、事務職・管理部門を含めた業務再編の可能性が高まっている点重要な変化だ。「どの業務をAIに置き換え、どの役割を人が担うべきか」を整理し、再配置やリスキリングを含めた中長期的な人材戦略がこれからの時代の潮流となっていくだろう。

組織の信頼維持と持続的な競争力強化に向け、効率化と人材活用を両立させていきたい。