社内不正4割超が「情報持ち出し」対策不備が浮き彫りに DDS調査
デジタルデータソリューション株式会社は、2025年度に社内不正被害を経験した企業260社を対象に実態調査を実施した。人材流動化が進む中、顧客情報や機密データの流出リスクは企業経営に大きな影響を及ぼす。バックオフィス部門には、情報管理体制の見直しや退職・異動時の統制強化が求めらる時代となっている。
調査概要
調査主体 :デジタルデータソリューション株式会社
調査対象者 :同社に社内不正に関する相談をした企業からランダムに抽出
サンプルサイズ :260社
調査年月:2025年4月~2026年3月
出典元:2025年度社内不正被害に関する実態調査(デジタルデータソリューション株式会社)
「社内不正相談」増加傾向、「情報持ち出し」が最多
本調査では、2025年度の社内不正に関する相談件数が前年度から約20%増加したことが明らかになった。不正事案の内訳では「情報持ち出し」が約41%を占め、最も多かった。
社内不正が多く発生している業界は製造業、情報通信業、建設業で、製造業は3年連続で最多となった。営業秘密や技術情報を扱う企業ほど、内部からの情報流出リスクに直面している実態がうかがえる。
退職・異動期にリスク高まる 発覚のきっかけはデータ削除
情報持ち出しが発覚した経緯として最も多かったのは「社内データ削除の発覚」で39%を占め、前年度比で24%増加した。意図的なデータ削除が情報流出の兆候として表面化するケースが増えているようだ。
また、発覚時期は4月と10月に集中する傾向がみられた。これらは異動や退職、転職が増える時期と重なっており、人材の入れ替わりに伴う情報管理の重要性を示している。
総務や人事、情報システム部門は退職者アカウントの管理やデータアクセス権限の見直しを徹底する必要があるだろう。
約94%が「外部媒体の利用制限」なし 内部統制強化が課題
情報持ち出し被害に遭った企業のうち、外部媒体の接続を制限していた企業はわずか6%だった。約94%の企業ではUSBメモリなどを利用した情報持ち出しが可能な状態にあり、管理体制の脆弱さが浮き彫りとなっている。
実際には顧客情報や技術資料、業務データなど事業継続に関わる重要情報が持ち出されていたケースも確認されている。外部媒体の利用制限やログ監視、クラウド利用状況の把握など、技術面と運用面の両方から情報管理体制を強化する姿勢が求められる。
まとめ
社内不正に関する相談件数は増加傾向にあり、その約4割を情報持ち出しが占めていることが明らかになった。特に退職や異動が増える4月・10月に発覚が集中している点は、人材の流動化が高まる時期に情報漏えいリスクも高まることを示している。
また、情報持ち出し被害を受けた企業の約94%がUSBメモリなど外部媒体の利用を制限していなかったことから、技術的な対策と運用ルールの両面に課題が残る実態も浮き彫りとなった。顧客情報や技術資料、業務データといった重要な情報資産は、一度流出すると競争力の低下や信用失墜につながりかねない。
総務・人事・情報システム部門を中心に、退職者のアクセス権限管理やデータ持ち出しの監視体制、情報管理規程の見直しを進め、内部不正の予防と早期発見を実現できる環境整備に取り組みたい。













