2026年6月国内景気「緩やかな改善」前月比1.0pt増 TDB調査
株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2026年6月の国内景気動向について、全国2万2572社を対象に調査・集計を実施。景気DIは42.6となり、前月から1.0ポイント上昇した。半導体やAI関連需要、設備投資意欲の改善などが景況感を押し上げた一方で、円安やエネルギー価格の高止まり、人件費の増加など企業経営を取り巻くコスト負担は依然として重く、先行きは緩やかな回復にとどまると見込まれている。
半導体・AI関連が景況感をけん引 全規模・全地域で改善
TDBによると、2026年6月の景気DIは42.6。前月比1.0ポイント増で2カ月連続の改善がみられている。AI関連のデジタル化・省力化需要や設備投資の持ち直しに加え、高水準の賃上げや季節商品の需要拡大、株価上昇などが景況感を下支えしたようだ。また、米国とイランの停戦合意を受け、中東情勢への警戒感が和らいだことも企業心理の改善につながったとみられている。
企業規模別ではいずれも4カ月ぶりに改善。地域別でも2023年5月以来、3年1カ月ぶりに全10地域で景況感が改善した。半導体関連需要や再開発需要の広がりが、全国的な回復を後押ししている。
一方で、企業を取り巻く環境は依然として厳しい。TDBは今後について「賃上げや夏季賞与、猛暑関連需要、旅行・レジャー需要などが景気を支える」と予測する。一方、「設備投資や住宅需要は金利上昇の影響を受ける可能性がある」と指摘している。そのため、国内景気は当面持ち直しが期待されるものの、コスト高や金利負担が重荷となり、力強さを欠いた緩やかな改善にとどまる見通しだ。
4カ月ぶりに全規模が改善 半導体関連が下支え役に
「大企業」(46.9):前月比1.0ポイント増
大企業は2カ月連続の改善となり、特に「サービス」が景況感を押し上げた。「建設」も国土強靭化政策の強化による追い風を受け、好調であった。
「中小企業」(41.8):前月比0.9ポイント増
中小企業も2カ月連続での改善がみられた。特に「製造」では12業種中11業種が改善するなど、3カ月ぶりに40台を回復している。連動する形で「卸売」でも改善がみられている。
「小規模企業」(40.0):前月比0.8ポイント増
小規模企業は4カ月ぶりの改善に。「建設」が2カ月ぶりの40台となり、価格転嫁の進展もみられたという。一方で「小売」では悪化がみられたこともわかった。
調査概要
調査期間:2026年6月17日~2026年6月30日
調査方法:インターネット調査
調査対象:調査対象2万2572社、有効回答1万413社、回答率46.1%
調査機関:株式会社帝国データバンク
出典元:2026年6月の景気動向調査(株式会社帝国データバンク)
まとめ
半導体やAI関連産業を中心とした設備投資の回復が国内景気を支える一方で、企業経営では依然としてコスト高や金利上昇への対応が大きな課題であることが示された。景況感の改善を前向きに捉えつつも、利益を確保できる経営体制を維持する視点が重要となるだろう。
人件費やエネルギーコストの管理、資金繰りの見直しに加え、AIやデジタル化への投資効果を検証しながら生産性向上を進めることが求められる。この兆しを成長機会として生かしつつ、外部環境の変化にも柔軟に対応できる経営基盤づくりを進めていきたい。














