職場でのパワハラ「受けた」「見聞きした」約8割が経験アリ 浅野総合法律事務所調査
弁護士法人浅野総合法律事務所(所在地:東京都中央区、代表:浅野英之)が運営する「労働問題弁護士ガイド」は、全国の20〜60代の男女300人を対象に「職場での指導とパワハラ」に関する調査を実施した。
調査では、約8割がパワハラを「自分が受けた」または「身近で見聞きした」と回答したほか、半数以上が自身の言動をパワハラと受け取られることに不安を感じていることが明らかになった。
調査概要
調査対象:全国の20代〜60代の男女
調査期間:2026年6月12日〜2026年6月19日
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:300名(女性158人/男性138人)
回答者の年代:20代 9.3%/30代 26.3%/40代 29.3%/50代 21.7%/60代以上 13.3%
出典元:労働問題弁護士ガイド(弁護士法人浅野総合法律事務所)
パワハラ「受けた」「見聞きした」8割超
本調査ではまずはじめに、職場でパワハラを受けた、または見聞きした経験について質問。
その結果「身近で見聞きした(41.7%)」「自分が受けた(41.0%)」と、合わせて82.7%がパワハラを何らかの形で経験していたことがわかった。
「一度もない」は16.3%にとどまっており、多くの働く人にとってパワハラが身近な問題となっている実態があるようだ。
「パワハラ」と「指導」の境界線は?
「指導」と「パワハラ」の境界をたずねた設問では「この仕事、向いていないのかもね」と本人に伝える行為を86.0%が「パワハラだと思う」と回答。
一方で「本人の実力より少し高い目標を設定する」や「ミスが続く間は難易度の低い仕事を任せる」といった対応は、多くが「指導の範囲」と認識していた。
行為の内容によって受け止め方が大きく異なることが示されている。
判断の決め手は「言い方・口調」、管理職側の不安も半数超
「指導」と「パワハラ」を分ける要素として最も多く挙げられたのは「言い方・口調の強さ(87.0%)」で「業務上の必要性(64.7%)」「頻度・しつこさ(62.3%)」「受け手がどう感じるか(58.0%)」が続いている。
内容はもちろん、伝え方や状況、相手への配慮が重要視されていることがうかがえる。
さらに「自分の何気ない言動がパワハラと受け取られるかもしれない」と感じる人は51.6%に上った。ハラスメント問題は被害者だけでなく、指導する立場にとっても心理的な負担となっている実態が明らかとなった。
被害に遭っても約半数は行動できず、相談体制の整備が課題
パワハラを受けたり見聞きしたりした際の対応では「何もできなかった(25.7%)」「我慢した(21.7%)」が、合わせて47.4%と約半数を占めた。
「会社に相談した(5.3%)」「労基署や弁護士など社外へ相談した(2.0%)」という回答は少数派に。多くの人が相談や問題解決に、踏み出せていない状況がうかがえる。
相談先としては家族や同僚など身近な相手を選ぶケースが多く、社内外の相談窓口が十分に活用されているとは言い難い結果となった。企業としては相談しやすい環境づくりや、管理職へのハラスメント教育、適切な指導方法の共有など、安心して働ける職場づくりに向けた取り組みが求められる。
まとめ
本調査では、職場でパワハラを経験・見聞きした人が約8割に達し、多くの職場で身近な課題となっている実態が明らかになった。
「パワハラ」と「指導」の境界は内容だけでなく、言い方や受け手の感じ方など複数の要素で判断されると考える人が多数派だった。さらに、半数以上が自身の言動を不安視していることも特徴的だ。
被害に遭っても約半数が「何もできなかった」「我慢した」と回答している事実も可視化された。
こうした状況を鑑みると、企業にはハラスメント防止研修や管理職教育の充実に加え、相談しやすい体制の整備や相談後のフォロー体制を見直すことが求められている、といえるだろう。誰もが安心して指導・相談できる職場環境を整え、ハラスメント防止と組織の健全なコミュニケーションの両立につなげたい。










