「半導体メーカー業績」生成AIで好調も、42.8%が減益 TSR調査
株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、企業データベース約440万社から、日本産業分類の集積回路製造業に該当し、2021年度から2025年度まで5期連続で業績が判明した全国の主な半導体関連メーカー154社を抽出し、2025年度の業績を分析。売上高の合計は7兆9115億円で前年度比17.1%増、利益合計は7125億円で同5.4%増。ともに過去5年間で最高を記録したものの、42.8%の企業が減益となるなど、業績好調の裏で収益環境には厳しさもみられた。
半導体関連メーカーの売上・利益は過去5年で最高
TSRによると、主要半導体関連メーカー154社の2025年度業績は、売上高合計が7兆9115億円(前年度比17.1%増)、利益合計が7125億円(同5.4%増)。売上高、利益ともに2021年度以降の5年間で最高となっている。
2025年度は生成AIの需要増に加え、NAND型フラッシュメモリの世界的な供給不足による販売単価の上昇などが売上高を押し上げたようだ。売上高トップのキオクシアもAI普及に伴うデータセンター向け高機能SSDの需要を取り込み、前年度比38.5%増の増収となった。
売上高規模では、10億円以上の企業が68社(44.1%)と全体の4割超を占めた。売上高500億円以上も18社(11.6%)に上り、前年度から1社増加している。
売上好調の一方、42.8%が減益
売上高が伸びる一方で、利益面では企業間の差が表れた。2025年度に最終利益が黒字だった企業は113社(73.3%)で、2024年度の107社(69.4%)から6社増加している。
しかし、黒字を維持しながらも減益となった企業は66社(42.8%)と、4割を超えた。シリコンウエハや特殊ガスなどの部材・原材料費、エネルギー価格、人件費などのコスト上昇が収益を圧迫。
特に、人手不足に伴う人件費の増加も重なり、コスト増を価格転嫁できない企業があることがうかがえる。2024年度の利益は前年度比500.8%増と大幅に伸びたが、2025年度は5.4%増にとどまったことがわかった。
出典元:「半導体関連メーカー」生成AI普及で業績好調 売上トップはキオクシア、TSMC日本子会社は売上高約143倍(株式会社東京商工リサーチ)
まとめ
半導体関連メーカー全体の売上拡大が、そのまま各社の収益改善を意味しているわけではないようだ。154社の売上高と利益はともに過去5年で最高となった一方、42.8%が減益となっており、業界全体の成長と個社の収益力には差が生じている。
生成AIやデータセンター向け需要を背景に市場拡大が続くなかでも、原材料費、エネルギー費、人件費などの上昇が利益を圧迫している。売上高の伸びだけで業績を判断するのではなく、コスト増が利益にどの程度影響しているかを継続的に把握し、価格転嫁や収益性を含めて自社の業績を捉えていくことがより重要になりそうだ。










