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知恵と力を合わせられる場をつくるファシリテーション②

こんにちは、組織開発ファシリテーターの嶋田至です。
前回は、ファシリテーションとは「場づくり」であることを伝えしました。
         
今回と次回は、「場づくり」について、もうすこしくわしくご説明しようと思います。
今回は、「心理的に安全な場づくり」について。

心理的に安全な場づくり

心理的に安全な場づくり

心理的に安全な場とは、「こんなことを言ったらバカにされないか」、「こんな発言をしたら怒られないか」といった不安が払拭されていて、率直に意見や思いなどを発言できる場のことです。

米国のグーグル社で高業績をあげるチームの特徴を調べたところ、どのチームも心理的な安全が確保されていたことから、最近この言葉が注目されるようになりました。
    
人は誰でも、他者と一緒になにかに取り組むとき、不安な気持ちが生じると言われています。
      
たとえば、「私はここにいていいのだろうか」、「メンバーとして認めてくれるだろうか」という不安です。
また、「どこまで本音を聞いてもらえるだろう」、「上司と異なる意見を言うと叱られないだろうか」、「知らないといったらバカにされるのではないか」など、率直なコミュニケーションにブレーキをかける不安があります。
「なんのために集められたのか」、「ここで私は何を期待されているのか」といった、目的や目標に関する不安もあります。
   
不安な気持ちが強いと、黙ってしまったり、本音を隠してまわりの話題に合わせてみたり、あるいは自分を守るために誰かを攻撃したりすることもあります。
つまり、おたがいを尊重しようという雰囲気が失われて、コミュニケーションに障害がおきるのです。

ファシリテーションは、「関係の質」を高めることだとお伝えしました。
そのためには、おたがいを尊重することが求められます。

まず、まわりの人たちに、「あなたは私たちの大切な仲間なんだ」ということを、姿勢や行動で具体的に示すことが大切です。

たとえば、メンバー全員をよく見てみることです。
どんな表情をしているのか、どんな気持ちで今ここにいるのかを感じ取ってみることです。

目の前の人に語りかけたり、発言を促してみる。
相手がなにか言いかけたら、言葉を聞き漏らさないようにしっかりと耳を傾け、「いまの発言を私はこんなふうに理解しましたよ」と、確認のメッセージを伝えてみる。
    
ちょっと言いづらそうにしている人がいたら、「大丈夫だよ」と励ましてみる。
長々としゃべり続ける人がいたら、いま聞いた話をまとめてみて、「他の人の意見も聞いてみたいので」と伝えてみる。
こんな、ちょっとした言動の積み重ねが、「ここにいていいんだ」、「なにを話してもいいんだ」という心理的に安全だという気持ちを高めていくことになります。

大切なことは、一人ひとりを大切にし、言葉に耳を傾け、しっかりと受けとめること。
寄り添うという姿勢が、ファシリテーションの基本だと思います。