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知らないと恥ずかしい!36協定の基礎知識を徹底解説

2019.08.29

従業員を雇う際、大事な仕組みの一つである「36協定」について知ることが大切です。理解せずに労働時間の取り扱いを間違ってしまうと、罰則を受ける可能性があります。よって、36協定は経営者だけでなく、人事や経理担当者も理解しているといいでしょう。これから、36協定について意味や必要なケース・上限規制をご説明します。また、違反した時の罰則など、36協定の注意点もご紹介しますので参考にしてみてください。

1.36協定とは

36協定とは従業員に休日労働や残業をしてもらう時に必要な協定のことです。正式な名称は「時間外・休日労働に関する協定届」ですが、労働基準法の36条に定められているため、36協定と呼ばれています。以前は、36協定を結んだ人には労働時間の上限がなく、長時間働いてもらえました。ただし、「働き方改革関連法」が施行され、上限規定の設定と違反した時の罰則が決まったのです。もし、決められた法定労働時間を超えて働いてもらう場合は、必ず36協定を結ぶといいでしょう。

2.36協定届が必要な2つのケース

36協定届は、どのようなケースで締結しておく必要があるのでしょうか。具体的には「法定労働時間よりも多く働いてもらう場合」「法定休日に働いてもらう場合」のケースです。これから、この2つのケースについて詳しくご説明します。

2-1.法定労働時間を超えて労働を課すケース

労働基準法では、「1週間に40時間」「1日で8時間」という労働時間を決めています。もし、決められた労働時間以外にも働いてもらう場合は、36協定を結ぶことが必要です。例えば、残業がある会社だと、働く時間が1日8時間以上になります。他の日で調整をする場合もありますが、1日8時間を超えてしまうと、法定労働時間を超えていることになるのです。また、残業が一切なくても、週に6日の労働を課す会社は注意した方がいいでしょう。週休2日制と決まっていない場合、「1日8時間・週に6日」で働いてもらうことがあります。その時は週に48時間働いたことになり、36協定を提出していないと労働基準法違反になるのです。

2-1.法定休日に労働を課すケース

法定休日に働いてもらう場合も、36協定を結んでおく必要があります。労働基準法では、「毎週少なくても1日は休日にしないといけない」という決まりがあり、それを守らないと労働基準法違反です。基本的に従業員は定期的に休み、法定休日のルールを守ってもらいます。ただし、場合によっては法定休日と定めている日にも休日出勤をしてもらい、働く場合もあるでしょう。その可能性がある時には、必ず36協定を結ばないといけないのです。例えば、土日は休みの会社でも「土曜日は会社の所定休日」「日曜日は法定休日」と定めていたとします。土曜日の出勤は法定労働時間を超えないなら働くことは可能で、届け出も必要ありません。しかし、法定休日としている日曜日に出勤してもらう時は、36協定の提出が必要です。

3.上限規制について

36協定を結んでいても、働く時間には上限があり、それを守らないと労働基準法違反になります。36協定では「1ヶ月」「1年」という単位で上限を定めていて、2018年6月の「働き方改革」の一環として、36協定の上限も改正されました。36協定では、休日出勤や残業で延長する限度時間を定めています。ただし、これが適用されるのは「一般労働者」と「3ヶ月以上の範囲で働く変形時間労働者」です。一般労働者における1週間の延長限度時間は15時間で、1年単位の変形労働時間制で働く人は14時間になります。また、1ヶ月で算出する時の延長上限時間は45時間、1年単位の変形労働時間制では42時間です。1年で算出する時は360時間、1年単位の変形労働時間制で働く人は320時間になります。

4.36協定に違反した場合の罰則

36協定の届出をしていない場合と違反した時には、罰則が設けられています。違反をした場合、事業の経営担当者もしくは事業主は「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」を科されることが多いです。36協定届の有効期限は1年にしている会社が多く、ほとんどの会社で1年に1度の再締結が必要になります。よって、従業員が働く時間の実態を把握し、しっかりと管理することが大切です。再締結するタイミングも誤らないように注意しましょう。

5.36協定が適用されない職種

"36協定は一般労働者と3ヶ月以上の変形労働時間制の人が対象です。よって、36協定が適用されない職種もあります。例えば、「土木や建築などの現場作業をしている人」「大規模な機械や設備工事を行う職種」は適用されません。建築や工事関連の仕事は、特質上36協定の上限は設定できないのです。ただし、労働時間が著しく超えないための対策はされていて、労働時間超過による怪我は労災認定されます。

トラックやタクシーなどを運転する「運輸関連業」の人も36協定の対象外です。これらの仕事は遠くに輸送や移動する場合があり、上限を設けてしまうと、仕事が成り立たなくなります。よって、独自のルールを作り、法定労働時間を守るようにしているのです。例えば、運転という作業時間以外にも、客待ち時間などの手持ち時間があります。そこで、「作業時間と手持ち時間を合わせた労働時間は13時間以内にする」という決まりを設けているのです。また、十分に休息がとれるように、「休憩は8時間以上連続してとる」などの独自ルールを採用しています。

「新技術や新商品の開発をする業務」は36協定の対象外です。具体的には、マーケティングリサーチやIT関連を開発する人が該当します。「季節で業務量が大幅に変わる業種」も36協定は結べません。例えば、郵便事業は年賀状などの取り扱いで年末年始は忙しくなります。繁忙期に36協定で制限をかけてしまうと仕事が成り立たなくなるため、上限は設けられない仕組みです。ただし、1年間における上限は設定されているので、働き過ぎるリスクは防げるでしょう。"

6.36協定に関する注意点

36協定の意味や上限などを紹介してきましたが、注意点について理解しておくことが大切です。これから、36協定の注意点として「時間外労働をする正当な理由」「限度時間」「有効期間」についてご説明します。

6-1.時間外労働をさせる正当な理由はあるか

36協定を結ぶ時には、法定労働時間を超えたり、法定休日に働かせたりする正当な理由が必要です。まずは、従業員に法定労働時間以上に働く可能性があることを説明しましょう。また、36協定の書面は従業員に渡して、内容を把握してもらいます。さらに、就業規則や36協定の書面は、見やすい場所に掲示または備え付けておくことも大切です。従業員が契約内容を確認でき、いつでも理解できる環境を提供します。

6-2.限度時間は守られているか

今までの36協定は、届出を出していれば上限はありませんでした。つまり、多くの時間で働いてもらえましたが、働き方改革関連法によって改正されたので、注意が必要です。新しい制度に沿って限度時間を設定しないと、法律違反になる可能性があります。36協定は一般労働者だけでなく、3ヶ月を超える変形労働時間制の人も対象です。この2つの上限は異なるため、法律で決められた範囲内を経営者と従業員それぞれが理解する必要があります。

6-3.有効期間は適切か

36協定には、有効期間があります。ほとんどの場合、1年ごとの契約となり、有効期間が過ぎる前に再締結することが必要です。もし、有効期間を過ぎていると、それまで36協定を結んでいたとしても違反になってしまいます。よって、有効期間の確認はしっかりとしておきましょう。