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オンライン✕採用イベント 開催方法やメリット・デメリットを詳しく解説

2020.10.26

 新型コロナウイルス感染症の拡大などに伴い、企業における対面での採用活動に課題が生じている。そのような状況下で注目されつつあるのが、「オンライン採用イベント」だ。コロナ禍において、応募者や人事担当者の安全を確保しつつ求める人材を確保するために、オンライン採用イベントの導入や活用を検討したいという担当者もいるのではないだろうか。

 今回は、オンライン採用イベントの概要の他、開催の手順や各種準備、当日の流れと注意点を解説する。採用活動の幅を広げるためにも、開催のポイントなどを押さえた上で活用してほしい。

目次

●オンラインによる採用イベントとは
●開催の手順と準備
●当日の流れ、注意点
●まとめ

オンラインによる採用イベントとは

 「オンライン採用イベント」とは、企業説明会や面接などの採用に関わる活動をWeb上で行うことだ。まずは、オンライン採用イベントの概要や導入の背景、オンライン採用イベントのメリットについて見ていこう。

オンライン採用イベントの概要
 オンライン採用イベントには以下のようなものが該当し、その他に企業独自のイベントを設けている場合もある。実施方法にはリアルタイムで配信を行う「ライブ配信型」と、あらかじめ撮影しておいた動画を求職者が視聴する「動画配信型」の2種類があり、各イベントの趣旨や企業の実態、求職者のニーズなどによって使い分けられている。

・企業説明会
・合同説明会
・選考面接
・内定者向け座談会
・内定者向け社内面談

導入の背景
 近年は就職活動の売り手市場が続いており、実地での会社説明会での参加人数が減少していることが企業の課題となっている。多くの求職者との出会いを求める企業は、応募者のハードルを下げるための施策として多様な採用方法を模索していた。そのような中、新型コロナ感染症の拡大によって物理的な長距離移動や対面でのイベント開催が困難となり、それらを解消する手段としてオンラインでの採用イベントの実施が急速に普及することとなった。

オンライン採用イベントのメリット
 オンライン採用では、企業に以下のメリットがあると考えられている。

・新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、3密を回避できる
・イベントの運営コストを削減できる
・一度に数十人から数百人が参加できる
・企業のブランディングに繋がる
・オフラインに比べ多くの人材と関わることができる
・採用スピードが加速する
・参加者のデータを分析・共有できる
・求職者や内定者との気軽なコミュニケーションの場を設定できる

 また、求職者にとっても、自宅からでも参加できコストがかからない、多くの企業を選択肢に含められるなどのメリットがあり、地方学生が抱える制約が解消するなど双方にとって有用な採用イベントとなっているようだ。

開催の手順と準備

 オンライン採用イベントを開催するには、どのような手順を踏むとよいのだろうか。ここでは、開催の手順や必要な準備について見ていこう。

イベントの決定
 まずは、どのイベントをいつ、どのような手段で行うのかを社内で検討する。実施する内容の趣旨に鑑みて、「使用するツール」や「実施する担当者」、「サポートメンバー」を決定しよう。使用するツールは、費用や操作性、人数制限、搭載されている機能などに注意して選択しよう。

参考:WEB面接環境の最適化を。BioGraph遠隔会場面接のサービスを開始

求職者への周知
 オンライン採用イベントの開催が決まったら、求職者向けのメールや自社のホームページなどにエントリーフォームのリンクを記載して周知しよう。求職者向けのメールには、以下のような項目を記載する。

・オンライン採用イベントの実施日
・イベントの開催時間、終了時間の目安
・イベントの趣旨・概要
・エントリー方法や申し込みURL
・その他注意事項(必須確認事項や服装など)

 セキュリティ上の観点から、エントリーがあった求職者に対しては、改めて配信URLを送信するのが一般的だ。ライブ配信型のイベントは日時を指定して行うため、指定の時間に開始できるよう、開始5分前にアクセスするなどの注意事項を記載しておこう。その他、急に参加できなくなった場合の連絡方法などについても明記しておくと良いだろう。

撮影機材・資料・動画の準備
 説明会では、イベントの実施日が決定したら、撮影機材とともに使用する資料を準備する。受信する端末によっては文字が小さくて読みにくい、動作が遅くなるなどの可能性があるため、文字数やアニメーションは必要最低限にし、シンプルでわかりやすい資料を作成すると良い。人事・採用担当者による口頭説明の場合でも、あらかじめ原稿を作成し、要点が簡潔に伝わるようにしよう。

デモンストレーション・撮影
 イベントの内容に関わらず、資料や動画撮影の準備が整ったら、必ずデモンストレーションを行うことが重要だ。デモンストレーションでは、以下の点について検証・判断すると良いだろう。

・パソコンやタブレット、スマートフォンそれぞれの端末で正常に映るか
・ノイズや聞きづらい箇所がいないか
・音声情報と視覚情報のバランスは適切か
・資料に誤字・脱字がないか
・プレゼンターの説明は要点を簡潔に押さえているか

参考:オンライン採用面接で自社の魅力を伝える8のポイント

当日の流れ、注意点

 オンライン採用イベント当日はどのようなことに気を付けると良いのだろうか。ここでは、当日の流れや注意点を見ていこう。

サポートメンバーを配置する
 オンライン採用イベント当日はさまざまなトラブルが想定されるため、プレゼンターの他に数名のサポートメンバーを配置しておこう。例として、「スムーズにログインできない求職者をサポートする人」、「プレゼンターのツール操作をサポートする人」、「求職者と同様に動画を視聴しリアルタイムで問題がないかをチェックする人」などが挙げられる。トラブルがあった場合でも即時対応することでスムーズな運営につながり、自社のイメージアップを図ることも期待できるだろう。

気軽なコミュニケーションを心がける
 企業風土を感じることが難しいオンライン採用イベントでは、企業から求職者に対してカジュアルな話しかけをする、従業員間の会話や返答を日頃と同様に行うなどすると良いだろう。また、参加する従業員のバリエーションの幅を広げたり、従業員同士のディスカッションの様子を配信するなどにより、求職者が企業の雰囲気をつかみやすくなるというメリットがある。

双方向コンテンツを入れる
 一方的な説明のみのイベントには、企業が求職者の雰囲気をつかみにくい、手ごたえがわかりにくいなどの課題がある。ライブ配信型のイベントではチャット機能やコメント機能で随時質問を受け付けたり、イベントの最後に質疑応答の時間を設けるなどの工夫をすると良いだろう。

事後アンケートを行う
 参加者にアンケートを依頼して回答することで、参加者のデータ収集やイベントの効果検証を行うことができる。イベントの効果アップを図り自社の求める人材の獲得が狙えるよう、改善できるポイントはできるだけ早く次のイベントに反映するよう心がけよう。

まとめ

 多くの選考フローがオンラインで完結するオンライン採用イベントは、企業・求職者にとって多くのメリットがあるようだ。実際のイベントの実施にはさまざまな準備や多少のトラブルも伴うが、事前のデモンストレーションや当日のフォロー体制によって解消できる部分も大きいだろう。自社が求める人材を確保する新しい採用手段の1つとして、オンライン採用イベントの導入を検討してみてはいかがだろうか。

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