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【従業員におすすめしたい】「ふるさと納税」のメリットとは

2021.04.28

 寄付金税制を活用し、寄付にともなう税の軽減を目的とした「ふるさと納税」。ふるさと納税で従業員が得られるメリットや企業としてどのような手続きが必要なのかを知りたいと考える担当者もいるのではないだろうか。

 今回は、ふるさと納税の概要や税制上のメリット、税制控除に必要な手続きを紹介
する。

目次

●ふるさと納税とは
●ふるさと納税の税制上のメリット
●ふるさと納税の税金控除に必要な手続き
●まとめ

ふるさと納税とは

 ふるさと納税とは、個々人が生まれ故郷や応援したいと考える自治体に寄付をすることで、返礼品や税金の控除などが受けられる仕組みのこと。まずは、ふるさと納税の概要を見ていこう。

さまざまな自治体に寄付できる
 ふるさと納税制度は、「生まれ育った地域に貢献できる制度」「自らの意思で応援したい自治体を選択することができる制度」として創設された。国民が税金の使い方を自由に選ぶことも目的としており、「応援したい」「貢献したい」と考える地域であれば、生まれ故郷に限らず、どの自治体にでも寄付することができる。

 寄付する自治体の数に制限はないが、後述する「控除の上限額」や「申請方法の選択」に影響があることに注意が必要だ。

返礼品を受け取ることができる
 ふるさと納税で期待される地方自治体への効果として、「歳入の増加」「地域の活性化」「課題解決」などが挙げられる。そのため、寄付への感謝として返礼品を用意し、地域の名産品や優待券などを寄付者に届けている自治体も多い。返礼品を通じて全国各地の産業や特産品を知ることができるものふるさと納税の特徴だ。

寄付金の使い方を選択できる
 自治体を選ぶ際は、それぞれの自治体のホームページやふるさと納税に特化したインターネットサイトで寄付金の用途や返礼品の内容を確認することが可能だ。

 寄付金の使い道を本人が選択できる自治体もあるため、「就職のためにふるさとを離れてしまったが、まちづくりのために支援したい」「災害によって大きな被害を受けた地域の復興支援のために、返礼品不要で寄付をしたい」「返礼品に魅力を感じたので、この自治体に寄付をしたい」など、目的によって自治体を選択するとよいだろう。

ふるさと納税の申し込み方法
 ふるさと納税の申し込み方法は、各自治体によって異なる。自治体のホームページから申込書が入手できる自治体もあれば、ホームページ上で申し込みが行える自治体もあるため、詳しくは寄付を検討している自治体に確認しよう。

 なお、税制面での控除を受けるためには、控除を受けようとする本人が、自らの名義でふるさと納税を申し込む必要がある。

参考:総務省「よくわかる!ふるさと納税」

ふるさと納税の税制上のメリット

 ふるさと納税では、控除上限額内で寄付を行うことで税制の控除を受けることが可能だ。ふるさと納税における税制上のメリットについて、詳しく説明する。

実質自己負担額2,000円で税金の還付・控除が可能
 ふるさと納税を行った金額は、必要な手続きを行うことで、原則自己負担額2,000円を除く全額が所得税・住民税から還付・控除される。自己負担となる2,000円は1回ごとではなく、1年間(1~12月)の寄付金総額に対して必要となる金額だ。

 ただし、全額控除される寄付金額には寄付を行う人の収入や扶養親族の数などに応じて一定の上限があることに注意が必要だ。上限額の目安は総務省のホームページで確認できるが、詳しくは居住地のある地区町村に問い合わせよう。

参考:総務省「ふるさと納税のしくみ 税金の控除について 全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」

場合によっては全体的な控除額が大きくなる可能性も
 税金の控除を受ける際には「ワンストップ特例制度」と「確定申告」の2つの申請方法があり、「ワンストップ特例制度」を利用するとふるさと納税を行った翌年に住民税が控除され、「確定申告」を行うとふるさと納税を行った年に所得税が還付、翌年に住民税が控除される。
 
 原則としてどちらを利用しても差額は生じないが、例外として、住宅ローン控除などを利用している場合はワンストップ特例制度を利用した方が全体的な控除額が大きくなる可能性があるため、この後説明する手続きについてよく確認し、事前にシミュレーションしておくとよいだろう。

ふるさと納税の税金控除に必要な手続き

 ふるさと納税は12月31日に1年間の総額が確定するため、企業で11~12月に行う年末調整で申請することができない。ここでは、ふるさと納税税金の控除に必要な手続きを説明する。

手続きには2つの方法がある
 ふるさと納税の控除を受けるためには、従業員自らが「ワンストップ特例制度」または「確定申告」のいずれかの方法で申告をする。「ふるさと納税以外の確定申告が必要か否か」や「寄付した自治体の数」によって、申告方法が異なることに注意が必要だ。

ワンストップ特例制度による手続き
 「ワンストップ特例制度」は、「確定申告や住民税申告をする必要がない給与所得者」「年間の寄付先が5自治体以下」の両方を満たす人が利用可能な制度だ。

 この制度を利用すると所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が、ふるさと納税を行った翌年の6月以降に住民税の減額という形で控除される。この制度を利用した場合は、確定申告を行う必要がない。

 本制度を適用するには、各自治体に寄付をする際に、「ふるさと納税ワンストップ特例の申請書」の提出が必要だ。寄付先の自治体によって申し込み手続きや申請方法が異なる場合があることに注意しよう。

確定申告による手続き
 「確定申告」によって申請をするのは、「ふるさと納税以外の確定申告が必要」「年間の寄付先が6自治体以上」のいずれかに該当する人だ。

 確定申告を行うと、2,000円を越える部分について原則全額がふるさと納税を行った年の所得税の還付、および翌年度の住民税の減額という形で控除される。

 ふるさと納税を行った翌年の3月15日までに確定申告書類と「寄付を証明する書類(受領書や専用振込用紙の控えなど)」を居住地所轄の税務署に持参し、確定申告を行うことで申請が可能だ。

参考:総務省「ふるさと納税のしくみ ふるさと納税の流れ」

まとめ

 「ふるさと納税」は従業員にとって税制メリットが大きいほか、年末調整の必要がないことから企業側にとっても負担が少ない制度だ。従業員の負担軽減だけでなく地域貢献や復興支援のためにも、従業員から問い合わせがあった際はきちんと説明ができるようにしておこう。

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