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帳票発行・電子管理ができるおすすめサービスと帳票管理のルールを紹介

2022.01.14

帳票の保管場所・管理方法について、紙ベースで管理していると瞬く間に場所を取り、頭を悩ませている人も多いだろう。そこで、今回は国が推進している帳票電子化を検討する際におすすめしたいサービスを紹介する。

企業・個人事業における取引の証明としての帳票

帳票とは経営活動をする上で作成された書類の総称を指す。具体的な内容を以下で説明しよう。

帳票の種類と役割・目的
帳簿と伝票を合わせた帳票には以下の書類が含まれる。各書類の役割や目的も合わせて紹介していく。

●仕訳帳:日付順にすべての取引を記録した書類
●出納帳:現金のやりとりや銀行口座の記録を残すための書類
●総勘定元帳:すべての取引を勘定科目ごとに記録した書類
●買掛帳:仕入れ先ごとに掛け取引と支払いを記録する書類
●売掛帳:取引先ごとに掛け取引と代金の回収を記録する書類
●経費帳:仕入れを含まない経費を記録した書類
●固定資産台帳:固定資産の取得時の状況や減価償却を記録する書類
●入出金伝票:入金伝票と出金伝票の2つがあり、入金伝票は現金が入金された際に記録する書類、出金伝票は現金を出金した際に記録する書類
●請求書:取引先に対して請求金額を通知するために発行する書類
●領収書:代金を支払った相手に受け取り証明として発行する書類
●納品書:商品やサービスを納品したことを証明するために発行する書類
●健康診断結果報告書:健康診断の結果が記された書類
●出退勤表: 出勤退勤時刻や欠勤、休日出勤などの情報が記された書類
●給料明細書:従業員に給料を支払う際に金額や明細を記した書類
●契約書:取引が決まった際に作成する契約内容を記した書類
●権利書:土地の取得をした人に対して法務局から交付される書類
●当座預金照合表:当座預金口座がある場合、その口座の入出金が記載してある書類
●振込依頼書:銀行などに開設された口座に対して指定した金額を払い込んでもらうために作成する書類

帳票と伝票の違い
帳票は前述した通り、経営に関する書類全般を指すが、伝票は帳票の中でも取引の都度、作成されるお金にまつわる書類のみに使われる名称だ。上記で紹介した「入出金伝票」の他に「売上伝票」「振替伝票」といったものが含まれる。

帳票の保存義務と電子化の必要性
法人税法上では、帳票の保存義務は7年間とされている。事業年度に欠損金が生じた場合には翌年以降に欠損金を繰り越すことができ、最大9年間欠損金を繰り越すことができる。それにより、帳票の保存義務も9年となるので注意したい。

ただし、会社法上となると話は別だ。株式会社は法務省令で正確な会計帳簿を作成しなければならないと定められている。

さらに、その会計帳簿の保存期間は10年とされており、10年もの間書類を保存しなければならない。これら全てを紙で保存となると、保管場所を確保しなければならず、さらには検索性も保たなければならないため、その管理にはかなりの労力とスペースが必要だ。しかし、書類の電子化を進めることができれば、保管場所も必要なく、検索も簡便になる。

ペーパーレス化におすすめの電子帳票(発行・管理)サービス

書類の保存を簡便にするには電子帳票サービスの利用は欠かせない。ペーパーレス化におすすめなサービスを紹介する。

「 請求管理ロボ 」
請求業務にかかる面倒な作業を約80%削減すると銘打った「請求管理ロボ」。請求業務からExcelと紙をなくして全てクラウド上で管理することにより、請求、集金、消し込み、催促までの流れを自動化できる。

請求書の電子化のみを希望する場合、月額1万円で利用が可能。請求書の電子化以外のプラスαも利用したい場合は月額3万円だ。郵送費用等は別途かかる。

(サービス詳細はこちら

「 楽楽明細 」
請求書だけでなく、納品書や支払い明細といった帳票まで発行できて汎用性が高い「楽楽明細」。簡単でシンプルなデザインのため、パソコン作業に慣れない人でも簡単に操作することができる。

利用の前にはコンサルタントと業務課題の相談ができ、それを元に最適なプランを提案してもらえる。利用料金は初期費用が10万円かかり、月額費用は2万4000円から。無料トライアルも利用可能だ。

(サービス詳細はこちら

「 会計freee 」
日々の経理業務を一元管理で簡単にできるようになる「会計freee」。請求書を作ることにより自動で帳簿付けもできるため、請求書作成ソフトよりも効率的な業務管理ができるのが大きな特徴だ。機能によって月額が1980円、3980円と金額が変わる。

初期費用も規模によって無料有料と分かれている。まずは30日間無料トライアルを利用するといいだろう。

(サービス詳細はこちら

「 misoca 」
さまざまな帳票を豊富なテンプレートから簡単に作成できる「misoca」。ロゴや印影の挿入も自由に設定できるため、自社オリジナルの請求書デザインも作れる。請求書を指定日に自動作成しメール送信できるなど、管理業務にも優れた効果を発揮する。

個人で利用する場合は制約があるが無料で利用でき、小規模法人であれば年8000円、中小法人であれば年3万円で利用可能だ。現在は初年度無償キャンペーンを実施しており、2022年3月31日よりも前に申し込んだ新規利用者は1年間無料で利用できる。ぜひこの機会を逃さないようにしてほしい。

(サービス詳細はこちら

「 マネーフォワードクラウド請求書 」
見積書、納品書、請求書、領収書の流れで簡単に書類を変換していける便利さで選ばれている「マネーフォワードクラウド請求書」。情報を一覧で確認できるため、回収消し込み表で未入金の残高や内訳が簡単に分かり、請求もれや回収もれを防ぐことができる。

事業規模によって利用料金が変わり、2980円、4980円がベースで、中堅から大企業の場合は別途見積もりが必要だ。1カ月無料トライアルも利用できる。

(サービス詳細はこちら

「 Makeleaps(メイクリープス) 」
見積もりから請求書までクラウド上で作成して共有できる「Makeleaps(メイクリープス)」。リコーグループの一員ということで信頼の厚いサービス会社でもある。作成した書類はすべてクラウド上で管理するため、全部署で確認ができて連携も簡単だ。

初期費用はかからず、事業規模によって1人当たり月500円、800円かかるプランと取引先が多い企業の場合は社全体で月2万5000円のプランがある。30日間無料トライアルも可能だ。

(サービス詳細はこちら

「 BtoBプラットフォーム請求書 」
請求業務を完全ペーパーレス化できる「BtoBプラットフォーム請求書」は、電子帳簿保存法に対応したデータ保管ができることもあり、多くの大手企業が採用しているプラットフォームだ。帳票の作成、印刷、開封作業がすべてなくなることから作業効率が大幅に改善できる。初期費用は10万円、月額利用料は5000円から。

利用状況に応じたコスト管理を提案してくれるので、詳細は問い合わせてみてほしい。

(サービス詳細はこちら

「 board 」
帳票の作成管理だけでなく、営業・支払い管理、分析や予測まで、中小企業の経営業務を一元化したサービスを展開している「board」。請求書サービスだけでは物足りない、けれどもすべてをカバーするシステムは価格が高すぎて導入できないという企業にとってちょうど良いシステムだ。

料金プランは980円、1980円、3980円、5980円と利用できる機能によって分かれている。どのプランも30日間お試しができるためまずは利用してみよう。

(サービス詳細はこちら

「 INVOY 」
機能制限がなくずっと無料で基本機能を利用できる「INVOY」。見積書、納品書、領収書、請求書の作成はワンクリックで変換でき、さらには一度使った請求書は定期自動作成の設定も可能だ。

まずは請求書作成に特化した機能を使ってみたいという人にとってぴったりなサービスだ。

(サービス詳細はこちら

電子帳票(発行・管理)サービスの選び方

一度導入したらなかなか変更がしにくい電子帳票サービスは、選び方が大切だ。どういった点に気をつけて選べばいいのか見ていこう。

✓ 自社のワークフローへの導入がしやすいツールの連携性
自社のワークフローへ違和感なく導入しやすいか、連携性をチェックしたい。

例えば、会計フローや稟議フローなど一連の業務の流れを整理し、関連する会計システムや販売管理システムなどと連携できるものを選ぶとより効率化が図れる。

✓ 必要なときにすぐ対応できるようなアクセス性
取引件数が多いと、必要な情報を取り出すことにも一苦労だが、多くの帳票発行サービスは欲しい情報を素早く取り出せる検索機能を搭載している。

採用候補サービスの検索機能について見比べるのもいいだろう。

✓ 社員の誰でも使うことができる分かりやすい操作性
操作性の高さも譲れないポイントだ。業務を行う人全てがパソコンの扱いに慣れているわけではない。あまり使い慣れていない従業員でも簡単に使えるような視認性の高いシステムを採用したい。

✓ 機密性の高い取引書類を扱うためのセキュリティ性
帳票は自社だけでなく、取引先企業の情報も詰まった書類。だからこそ情報漏洩などに細心の注意を払わなければならない。アクセス制御機能や操作した記録が残る「ログ管理」機能が装備されたサービスを選ぶようにしてほしい。

✓ 万一のトラブルの際の対応へのサポート性
トラブルが起きた際、迅速にサポートしてくれるかどうかも選定するポイントの一つだ。安価な金額で利用できるサービスの場合、メールでの問い合わせのみという場合もあり、迅速なサポートは期待できない。ただ、手厚いサポートがある場合は利用料金が上がってしまうため、バランスがよいサービスを選ぶとよいだろう。

帳票に関わる法律を遵守して安全に保存・管理

帳票の保存に関する法律は複数あり、すべて遵守しなければならない。知らなかったでは済まされないため、しっかりと理解して安全に保存・管理するようにしたい。

▼改正電子帳簿保存法▼
2022年4月1日から電子帳簿保存法が改正されることが決まっており、これから電子帳票システムを導入する場合にはこの改正電子帳簿保存法を意識することが必須だ。税務署長の事前承認制度が廃止されたり、タイムスタンプ、検索要件などが緩和されたりと電子帳簿を推進する内容が主となっている。

詳しい改正のポイントは国税庁の「電子帳簿保存法が改正されました」に詳しく書かれているため、こちらを参考にしてほしい。

▼電子署名法▼
2001年4月から施行された電子署名法は、一定の基準を満たす認証業務を国の認定を受けることができるとしたもので、それにより手書き署名や押印と同等の価値を持つとしている。電子署名に関してはデジタル庁が業務を担当しており、特定認証業務の認定も行っている(デジタル庁「電子署名制度」)。特定認証ではなく、通常の認定認証業務に関しては、経済産業省が管理している業者が担当している。

▼e-文書法▼
「e-文書法」とは、法律で保管が義務付けられている帳票や文書に関して、紙だけでなく電子ファイル(電磁的記録)の保存を認める法律だ。もちろん認められるには条件があり、4つの要件を満たす必要がある。

(1)見読性
電子化されたデータをパソコンやプリンタで出力した紙を通して明瞭に確認できるようにしなければならない。さらに求められたときには迅速に印刷できるようにする必要がある。

(2)完全性
内容の改変や消去を防止する対策やデータの毀損に備えなければならない。電子署名やタイムスタンプを使用して原本が初期状態のまま保存されていると証明できるようにする必要もある。

(3)機密性
不正アクセスの防止策や許可を得ていない人がアクセスできないように設定する必要がある。

(4)検索性
保存したデータをすぐに引き出せるように検索性を確保する必要がある。

まとめ

電子帳簿保存法の改正により、今後ますます帳票の電子化は進むだろう。取引先から取り残されないためにも、ぜひ電子化の検討を進め、気になるサービス提供会社に問い合わせをしてみてほしい。

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