オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

24卒内定者の8割が社会人になることが不安と回答【ラーニングイノベーション総合研究所「内定者意識調査」想定する入社後の壁編】

2024.01.25

組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(旧株式会社ラーニングエージェンシー、所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:眞﨑大輔)および人と組織の未来創りに関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所は、404名を対象に「内定者意識調査」を実施。2024年に入社を予定している内定者が抱える不安や想定している壁について調査・分析した。

調査実施の背景

企業が社会情勢やビジネス環境の大きな変化を乗り越え発展していくためには、人的資源の確保・定着が急務となっており、優秀な若手社員の定着も経営課題のひとつとされている。

同社が実施した社会人1年目の意識調査(※1)では、上司とのコミュニケーションにネガティブなギャップを感じた新人は「会社を辞めたくなる」という結果が明らかとなり、若手社員の早期離職防止には上司からの働きかけが大きく影響することが判明している。同社は、入社後にネガティブなギャップを感じさせないためには、企業や上司が入社前の段階から、内定者の気持ちや想定している壁を知り、入社に向けた適切な受け入れ準備を進めることが重要であるとして、例年内定者を対象とした調査を実施している。昨年の内定者意識調査(※2)では、8割以上の内定者が不安を抱えていたことが明らかになった。

同社は、大学入学直後から卒業するまでコロナ禍で過ごしてきた24卒の内定者にどのような特徴があるか、また入社後に直面する壁をどのようにイメージしているかを明らかにすべく、調査・分析を実施した。

※1若手社員の意識調査(社会人1年目)入社前後のギャップの実態 
※2内定者意識調査(2022年度)

約8割が社会人になることに「不安・心配」

約8割が社会人になることに「不安・心配」

同社は内定者404名に対し、社会人になるにあたってどのような気持ちが強いか質問。最も多い回答は「不安、心配な気持ち(78.7%)」で、次いで「期待感(46.2%)」「嬉しさ、楽しみな気持ち(42.7%)」が続いた。

具体的な不安については「自分の能力で仕事についていけるか(65.8%)」「しっかりと成果を出せるか(55.1%)」「先輩・同期とうまくやっていけるか(46.2%)」「上司とうまくやっていけるか(41.9%)」が上位に。

また、学生から社会人への移行を迎える過程で、どのような壁に直面すると思うかとの設問では、98.0%の内定者が何らかの壁に直面すると想定していることが明らかになった。想定する壁のうち、回答が多かったのは「仕事が難しい(51.9%)」「生活リズムの変化(47.6%)」となっている。

内定先に求めるサポートと入社に向けた期待

内定先に求めるサポートと入社に向けた期待

「仕事が難しい」「生活リズムの変化」という壁に直面すると想定している内定者が多いことが明らかになり、同社は続いて、その壁を乗り越えるために、それぞれどのようなサポートを必要としているのか質問。

結果、どちらの壁においても、半数以上の内定者が「先輩社員との人間関係を築く機会」を最も必要としていることが明らかとなった。加えて、業界の専門知識や専門スキル、マナーや仕事の進め方などの社会人の基礎スキルを学ぶ機会も求めており、事前に学習できることは習得したいという、タイムパフォーマンスを重要視するZ世代の傾向が見受けられた。

最後に同社は、入社に向けてどのような期待があるか質問した結果「色々なことを学び成長できる(67.0%)」「給料がもらえる(50.9%)」「社会の役に立てる(40.2%)」が上位を占めたことを明らかにしている。

調査概要

ラーニングイノベーション総合研究所「内定者意識調査」想定する入社後の壁編
調査対象者:同社が提供する内定者向け研修の受講者(2024年卒業予定)
調査時期:2023年10月16日~12月4日
調査方法:Web・マークシート記入式でのアンケート調査
サンプル数:404人
※構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がある
※各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外とした

まとめ

2024年卒の内定者は「期待・楽しみ」より「不安・心配」を強く感じている傾向にあることが分かる調査結果となった。同社は、学生時代に対面コミュニケーションの機会が少なかった24卒に対しては、コミュニケーション能力の強化が重要になるとコメント。

また、タイムパフォーマンス重視のデジタルネイティブには、デジタルツールを活用した学びの提供が効果的であるとした。それに加えて「育てる人」の育成の強化・改善に取り組むことで、成長を続けるための環境・仕組みを構築する必要があるとまとめている。新卒者の受け入れまであと約2カ月。人事担当者は改めて教育体制や受入準備について見直す機会としていただきたい。