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ハラスメント関連の検索数がこの10年で3倍以上に LINEヤフー調査

2024.06.28

LINEヤフー株式会社(以下、LINEヤフー)が提供する、LINEヤフーの多様なサービスから得られる行動ビッグデータを分析できる事業者向けサービス「ヤフー・データソリューション」は、ハラスメントに関連する検索ビッグデータを分析したレポート「『○○ハラスメント』を調べてみたら、時代の変遷まで見えてきた話」を公開。2014年から2024年5月までのハラスメントに関連する検索数推移や、各年の上位キーワードなどを発表している。

関連検索数が2014年の3倍以上に 各年で共通するキーワードは?

関連検索数が2014年の3倍以上に 各年で共通するキーワードは?

本レポートでは、Yahoo!検索のビッグデータから2014年から2024年5月までの「○○ハラスメント(とは)」の検索数推移を公表。2014年と比較して2023年は3倍以上に増加していることを報告している。2024年については、5月末時点で既に検索数は2023年と同程度の水準に近づいているという。

※2015年はテレビドラマ「エイジハラスメント」の影響で検索数が急増していると推察

また「○○ハラスメント(とは)」「○○ハラ(とは)」を集計対象とし、各年の上位10キーワードを抽出した結果についても公表されており、各年で共通するキーワードが明らかになった。本レポートによると、ほとんどの年で共通して検索されていたのは「モラハラ(モラルハラスメント)」「パワハラ(パワーハラスメント)」「セクハラ(セクシャルハラスメント)」「アカハラ(アカデミックハラスメント)」「スメハラ(スメルハラスメント)」だという。

出典元:「○○ハラスメント」を調べてみたら、時代の変遷まで見えてきた話(LINEヤフー株式会社)

減少したキーワードと急増したキーワード

減少したキーワードと急増したキーワード

本レポートでは、数年間のみ検索されて以降、あまり検索されなくなったキーワードも公表された。妊娠中や出産後の女性への不当な扱いを表す「マタハラ(マタニティハラスメント)」は2014年から2017年まではTOP10にランクインしていたが、2018年以降はTOP10を外れている。同じく育児参加をする父親への不当な扱いを表す「パタハラ(パタニティハラスメント)」は、2017年と2019年のみランクインしていた。

同社はこれらの状況について、言葉の出現で問題が顕在化し、社会的な認知や対応が進んだことにより、問題が解決に向かっていることが背景にあると推察している。

逆に「カスハラ(カスタマーハラスメント)」は2018年から急上昇し、2024年は「モラハラ」に次いで2位と、大きな関心を集めていることが報告された。

また本レポートによれば、特定の年にのみ見られるユニークなハラスメントも存在するという。家事に関するダメ出しなど相手を不快にさせる「家事ハラ(家事ハラスメント)」や、労働時間短縮を強制する「時短ハラスメント」のほか「キメハラ(鬼滅の刃ハラスメント)」「ワクハラ(ワクチンハラスメント)」などが挙げられている。

出典元:「○○ハラスメント」を調べてみたら、時代の変遷まで見えてきた話(LINEヤフー株式会社)

まとめ

本レポートの終わりには、2023年と2024年を比較して急増したキーワードに「ハラスメントハラスメント」があることが報告されている。これは「ハラスメントだ」と過剰に主張する行為を指すのだという。

職場での指導やコミュニケーションなどにおいて「ハラスメントと言われるのでは?」と不安に思う人も多いだろう。2024年2月に株式会社ライボが実施した調査(※)では、職場でのコミュニケーションの際、ハラスメント意識について「敏感になっている」と回答した人は8割を超えている。

価値観の多様化が進むと同時にさまざまな「ハラスメント」が聞かれるようになった一方で、過剰な反応がコミュニケーションに悪影響をもたらしている側面もあると考えられる。安心して働ける職場づくりのためにも、職場内で共通認識を持つための取り組みなどが必要ではないだろうか。研修の実施やルールの見直しなど、改めて検討する機会としていただきたい。

※出典元:Job総研 「2023年 ハラスメントの境界線調査」を実施