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国内景気が4カ月ぶり好転 猛暑やインバウンドがけん引 TDB調査

2024.08.06

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2024年7月18日から7月31日までの景気動向調査を行い、その結果を発表した。景気DIは前月比0.5ポイント増の43.8となり4カ月ぶりに改善。今回は大企業、中小企業、小規模企業がそろって改善した「規模別」の景気動向にフォーカスして紹介する。

前月比0.5ポイント増で4カ月ぶりに好転

前月比0.5ポイント増で4カ月ぶりに好転

TDBの発表によれば、2024年7月の景気DIは4カ月ぶりに改善し、前月比0.5ポイント増の43.8に。猛暑やインバウンド消費などが国内消費の好材料となったようだ。

7月は金融市場が大きく揺れ動いた。外国為替レートは1ドル=161円台から149円台へと変動、株価も5000円近い上下がみられている。また、消費者の節約志向は高まっており、個人消費を抑制。仕入単価の上昇や人手不足もマイナス要因となっていると分析している。

一方で、猛暑によってエアコンの需要やアルコール消費の増加といった季節需要は拡大。さらに、好調なインバウンド消費や旺盛なDX需要、自動車生産の復調、都市再開発事業などが国内景気を押し上げた。

TDBは今後の見通しについて「好調な企業業績がプラスとなる一方でエネルギー価格の高騰など不確実な要因も多く、横ばいで推移すると見込まれる」との見解を示している。

規模別では全規模がそろって改善 中小は緩やかながら幅広く上向きに

規模別では全規模がそろって改善 中小は緩やかながら幅広く上向きに

TDBは景気動向を規模別に分析し、4カ月ぶりに「大企業」「中小企業」「小規模企業」がそろって改善したことを報告。特に「中小企業」は緩やかながら幅広い業界で改善したという。

「大企業」(48.2): 前月比0.2ポイント増
2カ月連続で改善となった「大企業」では、全ての規模で設備稼働率が上向いたなかで、投資計画の案件が増加傾向に。「建設」が2カ月連続で50台を維持したほか、新NISAや円安株高が証券業などで好材料となったことが報告された。

「中小企業」(42.9):同0.4ポイント増
4カ月ぶりの改善となった「中小企業」では、緩やかながら10業界中8業界と幅広い業界で改善がみられたという。なかでも「卸売」は4カ月ぶりのプラスに。

「小規模企業」(41.8):同0.2ポイント増
「小規模企業」では「大企業」同様に2カ月連続での改善となった。TDBによると、イベントや映像制作などが好調だったという。また、小中学校受験熱の高まりや趣味などへの支出拡大がプラス材料となり、学習塾や個人教授所の景気DIが50台半ばまで上昇し『サービス』がけん引する形となったようだ。

調査概要

◆調査期間:2024年7月18日~7月31日(インターネット調査)
◆調査対象:2万7191社、有効回答1万1282社、回答率41.5%
◆調査機関:株式会社帝国データバンク
◆出典元:2024年7月の景気動向調査 国内景気は4カ月ぶりに好転(株式会社帝国データバンク)

まとめ

2024年7月は僅かながら好転がみられた国内景気。TDBは2024年6月の景気動向調査で、横ばいでの推移が続くとの予測を示していた。個人消費の落ち込みやコスト負担の増加、人手不足といったマイナス要因は持続しており、プラス材料に不確実な要因も多い中で、今後も横ばいでの推移は続くとみているようだ。

一方でTDBは今後プラス材料となるポイントとして、インフレ率を上回る賃上げや、政策金利の追加利上げとそれに伴う市場金利の上昇などを挙げている。劇的改善とまではいかなくとも、徐々に景気が回復していくことを期待したい。