2026年6月「飲食料品値上げ」1078品目、1万品目突破へ TDB調査
株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2026年6月以降における飲食料品の値上げ動向と展望・見通しについて分析を実施。 2026年6月の飲食料品値上げは、合計1078品目となったことを報告した。
飲食料品値上げ、5年連続1万品目突破へ
TDBによると、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした6月の飲食料品値上げは1078品目。前年6月(1940品目)からは半数程度にとどまったものの、前月(84品目)からは13倍と大幅に増加。値上げ1回あたりの平均値上げ率は月平均14%だった。単月の値上げ品目数が1千品目を超えるのは、2026年4月以来2カ月ぶり。
6月以降の値上げでは、中東情勢の影響を受けてトレーやフィルムの原料となるナフサの値上げ分を価格に反映する動きもみられている。インクや食品フィルム、トレー類などで大幅な値上げや品薄状態が続き、解消の見込みも立たず、商品の安定供給に向けた体制確保の動きが進んでいる。また、包装資材やエネルギー、物流費の上昇分を製品価格へ転嫁する動きも次第に表面化しているようだ。
中東情勢の悪化によるコスト高などを理由とした値上げは、年内約9000品目のうち5月末時点で2割超に。TDBは「今後さらに高まる可能性が高い」とみている。
要因最多は「原材料高」も低下傾向に
値上げ要因に関する分析結果を見ると「原材料高」の影響を受けた値上げが97.7%を占め、3月以降は低下傾向で推移しているものの、全要因のなかでは最も高。特に「包装・資材(73.7%)」は前月を上回り、5月末時点の水準として初めて7割台での推移だった。
「物流費(74.1%)」は中東情勢の悪化による原油高などの影響を背景に前月末から上昇。2026年内では最も高い水準が示された。「人件費(54.7%)」は上昇したものの、賃上げなど労務費由来の値上げは相対的に弱含み傾向にあるとTDBは分析している。
出典元:「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年6月(株式会社帝国データバンク)
※品目数および値上げは、各社発表に基づく。また、年内に複数回値上げを行った品目は、それぞれ別品目としてカウント
※値上げ率は発表時における最大値を採用。なお、価格据え置き・内容量減による「実質値上げ」も対象に含む
まとめ
中東情勢の悪化による原油高やナフサ価格の上昇が、食品フィルムやトレーなど包装資材のコスト増につながっており、企業の価格転嫁圧力は引き続き強まっている状況がうかがえる。
こうした状況下では、従業員の家計にも大きな影響が及んでいることが予測される。食費を中心とした生活コストの上昇は実質賃金の目減りにつながり、従業員の生活不安やエンゲージメント低下を招く可能性も考えられる。食事補助や福利厚生の充実、各種手当の見直しなどを通じて従業員の生活支援を検討する必要性はより高まっているといえるだろう。
また、継続的な値上げは個人消費の抑制を通じて国内景気にも影響を与える可能性が高く、企業にとっては売上減少やコスト増加が同時に進行するリスクもある。コスト管理と従業員支援の両立を図っていきたい。












