管理職の68%が「部下育成の課題」を頻繁に感じている!ステージによって感じる場面に違い ALL DIFFERENT調査
ALL DIFFERENT株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)およびラーニングイノベーション総合研究所は、同社の管理職向け研修の受講者を対象に「管理職意識調査」を実施(※1)。回答者のうち課長クラス以上の管理職の「部下育成への課題」に焦点を当てたレポートを公開した。同社は過去の調査(※2)で管理者の最大の悩みが部下の育成にあることを明らかにしており、本調査では管理職がどのような場面で部下の育成に課題を感じているか、その課題解決に向けてどのような取り組みに注力しているかを探ったとしている。
※1:調査期間は2024年5月20日~7月17日。対象はALL DIFFERENT社の管理職向け研修の受講者415名
※2:管理職意識調査(2024年 悩み・課題編)管理職育成の鍵は「ステージ別の課題への理解」ー新任管理職・ベテラン管理職・幹部候補ー
管理職の“ステージ”によって課題感に違いがある
本調査ではまずはじめに、課長クラス以上の管理職(以下:管理職)に「部下育成」への課題を感じることがどれほどあるか質問。その結果「とてもよくある(18.0%)」「よくある(50.0%)」「時々ある(28.2%)」「あまりない(3.9%)」との回答割合となったという。
次に本調査では、管理職を役職や経験値により「新任管理職(1~3年目の課長クラス)」「ベテラン管理職(4年目以上の課長クラス)」「幹部候補(部長クラス)」と3つのステージに分類し、ステージ別に違いがあるか分析。「部下育成」への課題を感じることが「とてもよくある」「よくある」と回答した割合は、新任管理職は計76.4%、ベテラン管理職は計66.6%、幹部候補は計54.1%と、ステージ初期の管理職ほど「部下育成」に課題を感じる割合が高い傾向にあることを明らかにした。
管理職は「部下が〇〇な時」に育成の課題を感じている
続いて、どのような場面で部下育成への課題を感じるか質問。「部下の成果や知識・スキルが向上しないとき(35.2%)」「部下のモチベーションが向上しないとき(32.0%)」「部下を評価するとき(28.2%)」が上位に並んだという。
同じ質問を管理職のステージ別に見ても、各ステージ共通で「部下の成果や知識・スキルが向上しないとき」の割合が最大となり、その割合はステージが高くなるにつれて増加する傾向にあった。2位以下にはステージごとの違いが見られ、新任管理職では「部下を評価するとき(30.2%)」「部下のモチベーションが向上しないとき(28.3%)」が続いており、「部下を評価するとき」の割合は幹部候補の16.4%より2倍近く高い。
ベテラン管理職では「部下の成果や知識・スキルが向上しないとき」と「部下のモチベーションが向上しないとき」がトップで並び(33.3%)、次いで「部下を評価するとき(27.0%)」が続いた。他のステージと比較すると「部下の状況を把握するとき(23.4%)」の割合が幹部候補の2倍以上高い結果となったことがわかった。
幹部候補では「部下の成果や知識・スキルが向上しないとき(41.0%)」の次に挙げられたのは「部下のモチベーションが向上しないとき」「方針や戦略の浸透を図るとき」で、どちらも27.9%。他ステージと比較して差が大きかったのは「方針や戦略の浸透を図るとき」で、他ステージよりも9.0ポイント以上の差があった。
部下育成のために46.8%の管理職が積極的なコミュニケーションを意識
本調査では、部下育成のために管理職が努力していることも質問。その結果、最も多く挙げられたのは「部下と業務時間に積極的にコミュニケーションをとる(46.8%)」で、次いで「部下からの意見に積極的に耳を傾ける(44.4%)」「部下に期待や役割を伝達する(42.3%)」が続いた。
ステージ別の比較では、新任は「部下と業務時間に積極的にコミュニケーションをとる」、ベテランは「部下の意見に積極的に耳を傾ける」、幹部候補は「部下の自主性を尊重する」が他ステージより突出する結果になったようだ。
また、順位は異なるものの「部下と業務時間に積極的にコミュニケーションをとる」「部下からの意見に積極的に耳を傾ける」「部下に期待や役割を伝達する」は各ステージで上位に挙げられており、部下を尊重しながら管理職から歩み寄りを見せている様子がうかがえる結果となっている。一方で、新しい知識・スキルを習得するための項目や、部下育成の推進体制の構築に関する回答は、非常に少なかったことも報告された。
まとめ
多くの管理職が頻繁に感じているという、「部下育成」の課題。管理職のステージ、立ち位置によって内容には異なる部分もあるが、課題解決のために意識して実施していることには、大きな差はないようだ。
同社は、現状打破のための取り組みとして、今後「知識・スキルの習得」に注力する必要性を示唆。業務負担の軽減、研修の実施などで、管理職が知識・スキル習得に十分な時間を取れるよう支援していくことが、会社の役割だと提言している。
本調査から明らかになった、管理職のステージによる課題の違いも参考にしながら、部下の育成に励む管理職をいかにサポートしていくか、組織全体の取り組みとして検討してみてはいかがだろうか。