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「新・譲渡担保法施行」備えておきたい実務への影響 TSR解説

2026.05.19

株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、2026年5月25日より「企業価値担保権」のスタートと、2027年12月までに「新しい譲渡担保法」が施行(昨年6月に公布)されることを受け、実務への影響を解説した。

「登記管理」が与信判断の重要指標に

2027年12月までに施行予定の「新しい譲渡担保法」により、企業の資金調達や与信管理のあり方が大きく変わろうとしている。TSRの解説によれば、従来は慣習や判例に依存していた動産・債権担保のルールが法制化され、譲渡登記や対抗要件、倒産時の扱いなどが明確化される見通しだ。

新しい譲渡担保法では、在庫や売掛債権などを担保にした資金調達のルールが整理され、動産・債権を活用した融資がさらに広がる可能性がある。特に注目されるのが、譲渡登記による対抗要件の重要性が高まる点だ。これまでは占有改定など実態が見えにくい運用も存在していたが、法整備によって登記の有無が信用判断に直結しやすくなるようだ。

また、新法は倒産実務にも影響を及ぼすという。譲渡担保権の実行前に、裁判所が実行禁止を命じることが可能になり、倒産手続きでは担保権実行手続取消を裁判所が命令できるようになる。担保設定者は処分や取立権限を回復できるようになるほか、倒産手続開始後は、設定者が取得した動産や債権に、原則として譲渡担保権が及ばないことも明確化された。

出典元:「新しい譲渡担保法」で変わる信用創造と倒産実務 ~ 譲渡登記での対抗要件などに留意 ~(株式会社東京商工リサーチ)

まとめ

新しい譲渡担保法は、企業の将来価値や事業資産を活用した資金調達を後押しする一方、登記情報や担保設定がこれまで以上に「見える化」される時代の到来を意味している。

バックオフィス部門の、財務リスクや与信管理を支える戦略的役割がより重要になることが想定される。

今後の対応としては、譲渡登記の確認フロー整備や契約管理の見直し、取引先モニタリングなどを通じて、法改正に対応した体制づくりを進める必要がある。制度変更をリスクではなく、資金調達多様化や経営強化の機会として活かしたい。