子どもの不登校や行き渋り、勤務先の制度利用や相談「できない親」3割超 サイボウズ調査
サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野慶久)のサイボウズ ソーシャルデザインラボは、企業で働く子育て中の親1000人と人事担当者500人を対象に、子どもの不登校・行き渋りが就労に与える影響に関する調査を実施した。調査では、働く親と企業側の認識に大きなギャップがあることが判明。制度の周知不足や相談しづらい職場環境が、離職や働き方の変更につながる可能性が示された。
調査概要
調査目的:働く親が子どもの行き渋り・不登校に際して勤務先の制度を把握・活用し相談できているか、また企業の人事が制度の周知や相談しやすい雰囲気づくり、社員の把握を行えているかを双方に尋ね、両者の認識のギャップを明らかにする。
調査対象:企業で正社員として働く子育て中の親 計1000人【内訳】男性500人/女性500人
うち、過去または現在、不登校や行き渋りのある小中学生の保護者男女は500人
*割付条件:地域・年齢・男女・小学生・中学生別・在籍する企業規模(従業員数)で割付
人事担当者 計500人 *割付条件:従業員数 ・業種・人事経験年数で割付
調査期間:2026年6月2日〜6月9日
調査方法:パネルを活用したインターネット調査
出典元:働く子育て中の親の33%が「どこにも相談できなかった」 人事の53%には実情が見えづらく お互いの認識に大きなギャップ(サイボウズ株式会社)
本調査では、子どもの不登校や行き渋りにより、利用したい制度が使えなかった際の相談先について質問。「どこにも相談できなかった」と回答した親は33.0%だった。職場の上司への相談は18.4%、人事・労務への相談は10.2%にとどまり、多くの親が支援を受けられずに悩みを抱えている実態が明らかになった。
一方、人事担当者では「困っている社員はいないと思う(25.6%)」「おそらくいるが把握していない(27.8%)」と、合わせて53.4%が実態を十分に把握できていなかったことが判明。また、不登校の子どもを持つ従業員への支援に取り組んでいる企業は16.6%にとどまり、企業側の対応はまだ限定的といえる。
「制度周知」「相談しやすい環境づくり」離職防止のカギに
また本調査では、親が企業に最も求めていることは「利用できる制度の積極的な周知(53.6%)」だった。しかし、人事担当者のうち制度を積極的に周知していると回答したのは19.4%にとどまり、ニーズとの間に大きな開きが見られた。
職場へ相談しなかった理由では「相談しても変わらないと思った」「言い出せない雰囲気だった」「評価に悪影響があると思った」が合わせて63.8%を占めた。一方で、人事担当者の45.8%は自社を「相談しやすい職場」と認識しており、現場で働く従業員との認識の違いも浮き彫りとなっている。
さらに、不登校や行き渋りをきっかけに24.8%の親が離職・転職・休職・時短勤務など働き方を変更しており、そのうち74.2%は世帯年収が減少したと回答。一方で、人事担当者の43.8%は不登校を離職リスクとして十分認識しておらず、企業側の危機感とのギャップも確認された。
まとめ
不登校や行き渋りの子どもを持つ従業員が制度を利用できず、相談先も見つけられない一方で、人事担当者はそうした実態を十分に把握できていないことが明らかになった。
離職や働き方の変更は従業員本人や家庭だけでなく、企業にとっても人材流出や採用・育成コストの増加につながる課題である。育児や介護と同様に、不登校への対応も働き続けるための支援策として位置付け、既存制度の積極的な周知や相談窓口の明確化、管理職への理解促進などを進めることが重要だろう。
従業員が安心して事情を打ち明けられる環境を整え、離職防止と多様な人材の活躍につなげたい。













