テレワークの「制限」「廃止」従業員の41.3%が働き方を見直す可能性 スキルアップ研究所調査
株式会社学研ホールディングス(本社:東京都品川区、代表取締役社長:宮原博昭)のグループ会社である株式会社ベンドが運営する「スキルアップ研究所」は「出社回帰の代償に関する試算レポート」を公開した。
試算の概要
・主たる出典データ:公益財団法人日本生産性本部「テレワークに関する意識調査」(2023年8月7日公表/調査期間2023年5月29日〜6月6日/インターネット調査)
・調査対象:テレワーカー1000名(20歳以上で管理職ではなく、直近3か月以内にテレワークを実施した雇用者)/管理職1000名(20歳以上で課長相当職に就いており、部下が直近3か月以内にテレワークを実施した者)
・試算主体:スキルアップ研究所
・試算の前提:テレワークを実施している人が100人いる職場を想定し、調査の回答割合をそのまま当てはめた単純推計
・16.4%・9.6%は、それぞれの調査対象内での割合であり、働く人全体に対する割合ではない
・「検討する」は意向であり、実際の退職・転職の発生率を示すものではない
・補足データの出典:公益財団法人日本生産性本部「働く人の意識調査」(第1回:2020年5月〜第18回:2026年1月/テレワーク実施率の推移)、パーソルキャリア株式会社『Job総研』「2025年 出社に関する実態調査」(2025年1月公表/675人)および「2026年 出社に関する実態調査」(2026年4月13日公表/327人)、レバテック株式会社「リモートワークに関する実態調査」(ITエンジニア対象:2025年8月7日公表/n=654、企業対象:2025年8月19日公表/n=534。調査主体:レバレジーズ株式会社/実査委託先:GMOリサーチ&AI株式会社)
出典元:出社回帰の代償に関する試算レポート(スキルアップ研究所)
テレワークの制限・廃止で41.3%が働き方を見直す可能性
公益財団法人日本生産性本部の調査によると、雇用者のテレワーク実施率は2020年5月の31.5%から、2026年1月には15.4%まで低下。コロナ禍以降、テレワークから出社中心の働き方へ戻す動きが進む一方、働く人がその変化をどう受け止めるかについて、同レポートでは過去の調査結果をもとに試算している。
日本生産性本部が2023年に実施した「テレワークに関する意識調査」では、勤務先のテレワーク制度が制限・廃止された場合、テレワーカーの16.4%が「退職・転職を検討する」24.9%が「働き方の変更を検討する」と回答。
両者を合わせると41.3%となり、テレワークを実施している人が100人いる職場では、約41人が何らかの働き方の見直しや退職・転職を検討する可能性があると試算される。ただし、これは調査回答をそのまま当てはめた単純推計であり、実際の退職・転職率を示すものではない。
また「退職・転職を検討する」と回答した割合は、管理職では9.6%だったのに対し、非管理職のテレワーカーでは16.4%となり、約1.7倍の差が見られた。テレワークの制限・廃止は、特に非管理職層の働き方や就業継続意向に影響する可能性があると考えられる。
出社回帰の背景には「見えにくさ」の課題も
企業側が出社を増やす理由にも目を向けると、レバテックが2025年に実施した調査では、出社頻度の増加を検討する理由として「マネジメントをしやすくするため」が52.6%で最多に。次いで「生産性を向上させるため」が47.4%で続いた。
こうした結果から、企業が出社によって得ようとしているのは、出社そのものではなく、メンバーの状況を把握しやすいことや、必要なときにすぐコミュニケーションを取れる環境とも考えられる。
まとめ
今回の試算では、テレワーク制度が制限・廃止された場合、テレワーカーの41.3%が退職・転職または働き方の変更を検討する可能性が示された。特に非管理職では、退職・転職を検討する割合が管理職の約1.7倍となっており、出社回帰を進める企業にとって、従業員の就業継続や人材流出への影響を無視できない結果となっている。
出社かテレワークかを一律に決めるのではなく、出社によって解決したい課題を明確にすることが重要だろう。マネジメントやコミュニケーションの不足が課題であれば、オンライン上でメンバーの状況を把握しやすくする仕組みや、気軽に相談・交流できる環境を整えるなど、働く場所の柔軟性を維持しながら組織運営上の課題を解消する方法も検討したい。









