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フリーアドレス導入時の書類管理の課題。ペーパーレス化推進が課題解決の鍵

2022.08.02
オフィスのミカタ編集部

テレワークの導入が進む中で、固定席を持たないフリーアドレス型のオフィススタイルが注目を集めている。部署を超えたコミュニケーションの活性化などにも役立つフリーアドレスだが、導入するには固定席のような収納スペースがなくなるという課題を解決する必要がある。今回はフリーアドレス導入に向けた書類管理方法について解説する。

フリーアドレスがコロナ禍で再び注目を浴びる理由

まずはフリーアドレスが再び注目を浴びている理由について触れておこう。

ハイブリット出社の増加
コロナ禍により、これまで常時出社していた社員もオフィスに出社する機会が減り、必要な時にだけ出社するハイブリッド出社に切り替える人が増えてきた。それにより、全員分の固定席を用意するよりもフリーアドレスにした方がオフィスを有効に使えると考えるようになったことが、フリーアドレスが注目を浴びる大きな要因となっている。

オフィスの自由度を高めた社内スペースの効率化
全員分の固定席を設けないようになれば、その分のスペースを有効利用できる。例えばテレワークの導入で増加したオンラインMTG用のスペースを設置したり、休憩室を設置したりと、柔軟な働き方に対応できるのだ。

「フリーアドレス」と「ABW」との違い

テレワークの浸透によって、フリーアドレスとともに注目を集めている言葉に「ABW」がある。ABW(Activity Based Working)とは、働く場所を自由に選択できるワークスタイルのことを言う。生産効率を高めるために、個々が作業のしやすい環境で働こうという考え方である。どちらも時代にマッチした働き方であるという点は共通しているが、フリーアドレスがオフィススタイルの一つであるのに対し、ABWはワークスタイル自体を表している点が両者の大きな違いである。

以下の記事ではフリーアドレスについて、メリット・デメリットを含めて詳しく解説している。ぜひ一読してほしい。
今月の人事・労務トレンドVol.10 フリーアドレスのメリット・デメリット

フリーアドレス導入の課題となる書類管理の解決方法

フリーアドレスの導入には、前述のように書類管理スペースの課題がつきもの。ここではその解決方法について解説する。

「個人書類」「共有書類」「重要書類」の3つに分ける
適切な管理に向けて、まずは書類のカテゴリー分けを進めていこう。オフィスで保管している書類は、個人書類、共有書類、重要書類の3つに分けることができる。

個人書類・・・共有するには至らない情報収集中の書類などが当てはまる
共有書類・・・チームや部署で共有している書類
重要書類・・・機密文書や原本の保管が必要な書類

フリーアドレスの導入にあたっては、紙の書類の量を減らすことも重要だが、それでもなくせない書類や、ないことで非効率になってしまう書類もあることを念頭に置いてオフィスレイアウトや制度を構築することが必要だ。

3つに分けた書類の保管場所や運用ルールを決める
カテゴリー分けをしたら、次に3種類の書類の保管場所や運用ルールを定めておこう。個人に委ねると、結局スペース効率が高まらない恐れがあるだけでなく、企業としての情報管理のリスクにもつながりかねない。収納スペースの量や運用ルールは十分に検討しておかないと、フリーアドレスの導入自体が失敗する危険性もあるのだ。

保管期限を過ぎた書類から適宜廃棄して不要な書類を溜め込まない
無理なく運用を続けるには、定期的なチェックと廃棄も欠かせない。各部署で書類管理担当者を決めておくなど、全社にルールを浸透できるように工夫しよう。

書類の電子化を推進することも書類のスリム化には重要

フリーアドレスで従業員の自由な行き来を実現したいなら、書類の電子化を進めることも重要だ。これまでは固定席のサイドデスク収納などですぐ手を伸ばせた書類を、わざわざ移動して取らなくてはいけないとなると従業員は不便さを感じるだろう。また書類管理システムなどを活用して電子化を進めることで、セキュリティリスクに対する統制も取りやすくなるという利点もある。単にオフィススペースのやりくりに終始するのではなく、書類管理・情報管理体制を構築するかという視点で検討してほしい。

紙の書類を電子化する際の3つの方法

続いては、紙の書類を電子化する方法について3つのパターンを紹介しよう。

複合機などを使って従業員がスキャン
1つ目は、複合機などを使って従業員がスキャンする方法だ。導入コストはかからないものの、結局は従業員の人件費やスキャンにかかる電気代を使うことになる。全体の量が少ない場合には良いが、大量にある場合は外部サービスの導入も検討した方が良いだろう。

スキャン代行サービスを利用
2つ目は、スキャン代行サービスを活用する方法だ。スキャン代行サービスなら、手間を省けるだけでなく、高性能なスキャナーを利用できる上、OCR処理も行ってくれるため文字認識もされる点が大きなメリットと言える。

スキャンから電子データ管理まで任せられる電子化サービスを利用
3つ目は、データ管理まで任せられる電子化サービスを利用する方法だ。電子化サービスはスキャン後の保管や検索にも優れており、運用もしやすい点が魅力となっている。また内部統制も取りやすいため、セキュリティリスクに悩まずに運用したい企業にもおすすめだ。

書類の電子化については以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてほしい。
書類を効率よく電子化してe-文書法・改正電子帳簿保存法に対応する方法を解説

まとめ

テレワークや多様な働き方が浸透していく中で、フリーアドレスはうまく運用できればメリットの大きいオフィススタイルだと言える。ネックとなる書類管理についても、ぜひこの記事を参考にしながら自社に適した解決方法を見つけてほしい。