中小企業における慶弔休暇の導入状況及び慶弔見舞金の相場とは?
株式会社エフアンドエム(大阪本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:森中一郎)が運営する中小企業総合研究所は、慶弔休暇と慶弔見舞金の実態について、エフアンドエムクラブの会員企業(※1)に向けてアンケート調査を実施した。
※1:同社が提供している中小企業の労働生産性向上を支援する公的制度・人事・労務・財務・IT活用のサブスクサービスの名称
概要
「慶弔休暇」は福利厚生の一つとして多くの企業が特別休暇として設けている。またそれに付随して、結婚祝金や出産祝金、弔慰金などの「慶弔見舞金」を会社から従業員に支給していることも多くあるが、法定の制度ではないことから付与基準、支給金額に悩むという声も寄せられる。そこで今回、慶弔休暇と慶弔見舞金の実態についてアンケート調査を行い、回答いただいた477社(2022年6月1日~6月30日時点)の結果をまとめた。
レポート全文
中小企業の慶弔休暇及び慶弔見舞金の実態
慶弔休暇について86%の企業が制度を導入しているが、そのうち2割強の企業は給与が発生しない休暇として整備している。従業員規模別にみると、従業員数が少ないほど慶弔休暇制度を整備している企業が少ない傾向だ。
また、情報通信業・運輸業のうち、特に運輸業では制度の導入自体は進んでいるものの、無給としている割合が高い。サービス業のうち、特に宿泊業・飲食業では制度を導入している企業は少ない一方で、導入している企業は有給としている割合が高いことなどがわかった。
慶弔見舞金制度の導入状況とその内容について
慶弔見舞金について、全体の7割の企業が制度を設けていると回答した。
従業員規模別にみると、やはり休暇制度と同様、従業員数が少ないほど慶弔見舞金制度を導入していない企業が多いことがわかる。業種別でみると、建設業、製造業は約8割の企業が慶弔見舞金制度を導入しているのに対して、情報通信業・運輸業では6割未満の結果となった。
制度を導入していると回答した企業の慶弔見舞金の種類をみると、導入割合が高い順に弔慰金(91%)、結婚祝金(89%)、出産祝金(79%)となった。
種類ごとの支給金額をみると、結婚祝金は2万~3万円台、出産祝金、弔慰金は1万円台と回答した企業が多かった。
まとめ
近年、求職者の判断基準は以前より多様化し、ワークライフバランスや福利厚生などを重視する人が増えている。慶弔休暇、見舞金制度の充実を図っていくことが採用活動を成功させる手段のひとつといえるだろう。それ以外にも採用活動における優位性を高めるためには、教育体制を充実させることや時間単位の休暇制度を導入することなど、様々な取り組みが考えられる。