「人的資本調査2022分析」報告 有報開示義務化項目への取り組みは?

一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム(代表理事:香川憲昭)はHR総研(ProFuture株式会社、所長:寺澤康介)及びMS&ADインターリスク総研株式会社(代表取締役社長:中村光身)と共同で、人的資本経営と開示に関する企業・団体等の取組状況を大規模調査する「人的資本調査2022」を昨秋に実施した。
調査概要
アンケート名称:人的資本調査2022
調査主体:
一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム
HR総研(ProFuture株式会社)
MS&ADインターリスク総研株式会社
調査期間:2022年9月8日~12月2日
回答方法:回答専用フォームにて期限内に回答し、事務局へ返送。
調査対象:上場企業、非上場企業を含むすべての企業・団体
有効回答:280件
人的資本調査2022 分析レポートはこちら
※人的資本調査2022 概要
全体的に取組みレベルに課題がある項目

調査した項目の中で「取組みレベルに課題がある3項目」の一つ目は、「人材ポートフォリオの具体的計画と目標達成に向けた活動」であり、全体の75%と4分の3もの企業で「人材ポートフォリオ実現に向けた具体的計画が立てられていない」ことが分かる。
二つ目は「企業価値向上へのストーリーの構築」だ。「ストーリーを構築していない」とする企業の割合は76%で4分の3に上っており、現状では目的達成に向けたストーリーを描くことなく、人的資本経営に取り組んでいる企業が多いことがうかがえる。
三つ目は「人材戦略の実現に向けたインプット(人的資本投資)とアウトカム(達成すべき目標)の設定と社外開示」である。「インプットとアウトカムを定めていない」とする企業の割合は64%と6割以上に上っている。本項目は有価証券報告書における人的資本開示の対象となっていることから、上場企業は対応を急ピッチで進める必要があるといえる。
「取組みレベルに課題がある3項目」の結果を見ると、今後、人的資本経営と開示を効果的に行っていくにあたって、日本企業では、人材戦略をデータドリブンかつ計画的に推進していくことが大きな課題となっていると推測される。
その他、主に以下の観点における分析結果から、様々な回答企業の傾向が確認された。
・全体的に特に取組みが進んでいる項目
・「有価証券報告書での開示が義務化された項目」の動向
・属性による特徴が見られる項目
まとめ
レポートではさらに詳細な分析結果が紹介されている。人的資本経営に取り組む上での参考にしてみてはいかがだろうか。