「博士修了者の採用に関する日本企業の意識調査」博士人材をもっと産業界に

株式会社日本能率協会コンサルティング(本社:東京都港区、代表取締役社長:小澤勇夫、以下、JMAC)は、この度、東北大学・高等大学院機構・大学院改革推進センター・博士人材育成ユニット(以下、PhDC)の委託により2022年9月より博士修了者に企業が望む資質や能力に関して、企業がどのような課題を持ち、博士人材に対し期待をしているかその実態について調査した。
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調査概要
調査名称:博士課程修了生の採用に関するアンケート調査
目 的:博士課程修了生を採用する企業から見て、博士に何を望んでいるのかの実態を明らかにする
調査方法:Webアンケート方式とWordファイルアンケート方式の併用
調査期間:2022年9月28日~12月27日
調査対象:日本企業の研究開発部門、人事部門、経営企画部門など
回答数:有効回答123件
調査担当者:株式会社日本能率協会コンサルティング R&Dコンサルティング事業本部
【委託者】 東北大学・高等大学院機構・大学院改革推進センター・博士人材育成ユニット
【調査会社】株式会社日本能率協会コンサルティング/パシフィックスターコミュニケーションズ
博士課程修了生への期待(資質)

期待する資質として”自律的に研究開発を推進する主体性”、”失敗を恐れず、新しいことに取り組むチャレンジ精神”、”学び続ける力”の3項目の回答が多い結果となった。博士課程に進むこと及び修了する過程で培った資質によって、新しい分野での研究を主体的に切り拓いて推進していくことを期待されていることが伺える。
博士課程修了生への期待と不足のギャップ(資質)

期待されているが不足している項目として”チームワーク・リーダーシップ・協調性”が挙げられる。企業においては、研究業務においても周囲とのチームワークが求められるため、ギャップになっていると考えられる。
博士課程修了生への期待(知識)

期待する知識として”研究分野における高い専門知識”、”専攻分野における専門知識”、”複数の技術に関する幅広い知識”の3項目の回答が多い結果となった。博士課程に進むこと及び修了する過程で培った専門性のある研究分野だけでなく、それよりも広い専攻分野や周辺技術等についても理解していることを期待されていることが伺える。
博士課程修了生への期待と不足ギャップ(知識)

期待されているが不足している項目として”複数の技術に関する幅広い知識”が挙げられる。研究から新しい技術を生み出すためにはアイデアの素となる複数の技術分野の知識について知っている必要があるが、現状は特定の分野に偏っていると考えられる。
まとめ
博士課程学生の修了後のキャリアとして、産業界が重要な選択肢となり始めている。博士修了者に特化して実施された本調査。博士修了者の採用に活用してみてはいかがだろうか。