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GX求人、6年で5.87倍に増えるも転職者は3.09倍 人材確保は喫緊の課題

2023.08.31
オフィスのミカタ編集部

株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村吉弘、以下リクルート)は、グリーントランスフォーメーション(以下、GX)に関する求人と転職の動向についてまとめたものを公表した。

GX求人は6年で5.87倍に。増加の背景とは

GXとは、グリーントランスフォーメーションの略。石油や石炭などの化石燃料をできるだけ使わず、クリーンなエネルギーを活用するための活動のことだ(※1)。

リクルートは、カーボンニュートラルを目標にした経済社会システム全体に関わる仕事内容や業務内容に準ずるものをGX(グリーントランスフォーメーション)求人と定義している。

GX求人は2020年を機に右肩上がりで増加しており、2022年度は2016年度を1とすると5.78倍まで増加。求人が増加した背景として、2020年10月に菅義偉元首相が所信表明演説の中で「2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」と目標を掲げたことがあげられる。その後の経済と環境の好循環をつくるための実行計画をまとめた「グリーン成長戦略」(※2)やGXリーグの実装に向けた詳細設計の議論と取組の実証を「GXリーグ基本構想」(※3)などでさまざまな施策が示されたことから、各社の戦略も具体化してきた。

※1出典元:知っておきたい経済の基礎知識~GXって何?

※2出典元:グリーン成長戦略とは?(ミラサポplus)

※3出典元:GXリーグ基本構想(経済産業省)

外部採用と内部異動でGX人材の確保が必要か

GX求人が増加する一方で、転職者については増加しているものの求人数に比べて伸び幅が小さい。企業が求めるスキルを全て備えている方が少ないため、活躍の可能性のある方・素養のある方を採用し事業を推進していく覚悟が必要だといえる。

またGXに関連する事業は、1社だけでは取り組めず、解決もできない課題に向き合っているのが現状としてある。業界内や業界をまたいだ大きな連携が必要であり、横断プロジェクトを推進できる人材ニーズは高まる一方だ。人材不足による事業が進まない事態は、国際社会での日本の遅れを加速させてしまうため、GX従事者の人材確保は喫緊の課題だという。外部採用だけでなく、社内でも積極的な異動を進めることにより横断プロジェクトは進めやすくなるとリクルート社の羽田野氏は解説している。

まとめ

GX人材は知識だけではなく、社内外のメンバーと長期的なプロジェクトを遂行するリーダーシップなど高いレベルが求められている。内部労働市場の活性化と外部労働市場からの人材確保の両側面の対応でGX人材は集まるのか、今後の施策や推移を追っていきたい。