掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

企業倒産4年ぶりの4000件超 「増加局面」鮮明 ― 全国企業倒産集計2023年度上半期報

2023.10.12

帝国データバンクは、2023年上半期(2023年4-9月)の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)について集計し、分析を行った。

概況

2023年度上半期の倒産件数は4208件(前年同期3123件、34.7%増)と、上半期としては2年連続で前年を上回り、4年ぶりに4000件を超えた。前年同期を34.7%上回るなど、増加率(年度半期ベース)は2000年度以降で最も高くなった。

負債総額は1兆5868億3600万円(前年同期1兆7657億9500万円、10.1%減)だった。前年同期から減少したものの、パナソニック液晶ディスプレイ㈱やユニゾホールディングス㈱など大型倒産が相次いだこともあり、上半期としては10年ぶりに2年連続で1兆円を超えた。

主要ポイント

主要ポイント

■業種別:15年ぶりに全7業種で前年同期を上回った。『サービス業』(前年同期811件→1022件、26.0%増)が最も多く、『小売業』(同559件→885件、58.3%増)は前年同期から300件を超える大幅増
■主因別:『不況型倒産』が2000年度以降初の前年同期から4割増
■態様別:「破産」が3959件で、前年同期より1000件以上増加
■規模別:負債「100億円以上」の倒産が10件で、大型倒産の増加が目立った
■業歴別:『新興企業』が1230件で、上半期としては10年ぶり1200件を超えた
■地域別:15年ぶりに全9地域で前年同期を上回った。『北海道』(前年同期96件→118件、22.9%増)、『東北』(同147件→225件、53.1%増)、『関東』(同1167件→1552件、33.0%増)、『九州』(同231件→358件、55.0%増)では、2019年度上半期を超えた

調査概要

集計期間:2023年4月1日~9月30日
発表日:2023年10月10日
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
集計機関:株式会社帝国データバンク

まとめ

企業倒産が4年ぶりの4000件超となり、増加局面にあることが明らかになった。また、インボイス制度が10月1日にスタートし、課税事業者による免税事業者との取引打ち切りや、消費税額分の値下げを求めたりするケースが今後表面化する可能性がある。個人事業者を中心に、立場の弱い免税事業者ゆえの負担増に耐えかねた廃業や倒産の動向に注視が必要だ。近時になって目立ってきた「スタートアップ企業」の倒産や、「中小企業版・事業再生ガイドライン」の活用状況なども、今後の倒産動向をみるうえで欠かせない視点となるだろう。