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老舗倒産が過去最多!リーマン・ショック超えの145件に TDB調査

2025.01.17

帝国データバンク(以下:TDB)は法的整理(負債1000万円以上)となった企業のうち、倒産時点で創業・設立から100年以上の企業を分析・集計し「100年経営「老舗企業」の倒産動向調査(2024年)」を発表した。

小売・製造業を中心に老舗倒産が急増 過去最多の145件に

小売・製造業を中心に老舗倒産が急増 過去最多の145件に

TDBは、長い歴史を刻んできた「ニッポンの老舗」が、苦境に立たされていると指摘する。TDBによれば2024年、創業・設立から100年以上の業歴を有する老舗企業の倒産は145件発生。5年ぶりの100件超えとなり、前年(96件)からは約1.5倍に急増したという。これはリーマン・ショックが起きた2008年(120件)を大幅に上回る高水準であり、過去最多を大幅に更新した。

業種別の分析をみると、小売業と製造業の2業種で全体の約6割を占めたことがわかる。最多は小売業の43件だ。「スーパーマーケット(5件)」を筆頭に「百貨店(2件)」も含めた大型商業施設が相次いで倒産。さらに「呉服小売(4件)」「料亭(3件)」など昔ながらの業種も目立った。

製造業は42件と報告されており、郷土料理や加工品などを手がける「水産食料品製造(4件)」のほか、2024年12月にユネスコ無形文化遺産として「伝統的酒造り」が登録された「清酒製造(4件)」地元の銘菓を扱う「生菓子製造(3件)」「米菓製造(3件)」などが倒産している。

TDBは倒産要因について、ほとんどが「販売不振(124件)」だったことを報告。加えて、物価高や後継者難などの経営リスクが直撃したケースも、数多く確認されているようだ。

出典元:100年経営「老舗企業」の倒産動向調査(2024年)(帝国データバンク)

まとめ

2022年、日経BPコンサルティング・周年事業ラボが実施した調査によれば、世界の創業100年以上企業のうち日本の企業は50%、創業200年以上の企業では65%を占めるという。国別のランキングでトップとなっており、TDBはこれについて世界に誇る日本の魅力だと解説する。(※1)

一方で、老舗企業には小規模事業者も多く、物価高や後継者難に対応できないケースが増加傾向にあるという。そうした背景もあり、今後も倒産が相次ぐとみられている老舗企業。今後の動向にも注目したい。

出典元(※1):世界の長寿企業ランキング。創業100年企業、日本企業が50%を占める(日経BPコンサルティング・周年事業ラボ)