約6割が忙しさを理由にリスキリングに取り組めず スキルアップ研究所調査

株式会社学研ホールディングス(本社:東京都品川区、代表取締役社長:宮原博昭)のグループ会社である株式会社ベンド(本社:東京都千代田区、CEO:近藤潔)は、運営する「スキルアップ研究所」にて「リスキリングのための時間確保に関する実態調査」を実施。リスキリングに際して時間を確保する工夫や、その時間がどの程度の成果に繋がっているのかなどを明らかにした。
調査概要
調査名:リスキリングのための時間確保に関する実態調査
対象者:リスキリングに興味がある社会人
対象地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年1月14日〜2025年1月21日
回答数:300
調査主体:スキルアップ研究所(株式会社ベンド)
出典元:リスキリングのための時間確保に関する実態調査(スキルアップ研究所/株式会社ベンド)
リスキリングに取り組めない理由「忙しくて時間が取れない」

本調査ではリスキリングへの取り組みと生活リズムとの関係を調査しており、リスキリングに取り組んでいる層/取り組んでいない層の間に顕著な生活リズムの差は見られなかったことが報告された。
また、リスキリングに取り組んでいない人を対象に「リスキリングに取り組んでいない理由をお答えください」と質問した結果、全体の60.8%が「忙しくて時間が取れない」と回答したという。次いで「やりたいと思っているが行動に移せていない(54.2%)」「金銭的な余裕がない(44.0%)」といった回答が続いている。
夜間に取り組む人が多い一方で睡眠を削ることで効果が低下

続いて本調査では、リスキリングに取り組んでいる人を対象に、リスキリングに取り組む時間帯を質問。「夜(18:00〜22:00)(38.8%)」「深夜(22:00以降)(15.7%)」と、半数以上が18時以降に取り組んでいることが判明したという。「朝(5:00〜10:00)(14.9%)」や「日中(10:00〜18:00)(19.4%)」といった回答は、それぞれ2割に満たない結果となった。
本調査では「睡眠時間を削ってリスキリングを行った際にどのような影響があったか」との質問に57.4%が「睡眠を削り、悪影響があった(「集中力が続かず、効率が悪くなった」「記憶力や理解力が低下したと感じた」「作業ミスが増えた」のいずれか)」と回答したことも報告されている。
まとめ
本調査結果からは、リスキリングの推進にあたって「時間の確保」が大きな課題となっていることがわかる。忙しいからと無理な学習スケジュールで取り組めば、学習効果の低下や心身への影響を引き起こしかねない。実際に睡眠時間を削って取り組んでいる人からは悪影響があったとの声が寄せられている。
従業員のリスキリングは企業の成長において必要不可欠とも言える取り組みだ。企業側はリスキリングに取り組む従業員が、無理なく健康的な時間管理を行えるような工夫をしていく必要があるだろう。
厚生労働省は、リスキリングなど従業員のスキルアップに取り組む企業に対して助成金を支給しており、教育訓練休暇等付与コースでは、制度導入や適用時の賃金に対して支給を受けることができる。こうした助成金の活用も検討してみてはいかがだろうか。
参考:人材開発支援助成金(厚生労働省)