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人手不足が深刻化!社外に魅力的な給与を示す傾向強まる リクルート調査

2025.02.25

株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村吉弘)は、四半期に一度公表している「転職時の賃金変動状況(※1)」を分析し、中小企業への転職時に「前職と比べ賃金が明確に(1割以上)増加した転職者数の割合」について発表した。

※1:「転職時の賃金変動状況」の調査・データ一覧 転職支援サービス『リクルートエージェント』において“転職者の賃金は転職前後でどのように変化しているのか”という点に着目し「前職と比べ賃金が明確に(1割以上)増加した転職者数の割合」の経年変化を見ている調査データ

調査概要

調査方法:『リクルートエージェント』求人データ・転職者データの分析
調査対象:『リクルートエージェント』での求人、『リクルートエージェント』を利用し、転職した方
有効回答数:非公表
調査実施期間:2024年12月~2025年1月
調査機関:株式会社リクルート
出典元:中小企業への転職者 前職と比べ賃金が1割以上増えた割合は2019年度比5.3pt増加(株式会社リクルート)
※前職(転職前)の賃金は時間外労働等の「変動する割増賃金」を含む一方、転職後の賃金にはそれらが含まれないため「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者数の割合」は実態よりも低めの値となる傾向がある
※本リリースでの『リクルートエージェント』求人データ・転職者データにおいては、従業員数300人未満を中小企業、300人以上を大企業とし、調査時点での従業員数を基にデータを抽出

中小企業の深刻な状況が明らかに

中小企業の深刻な状況が明らかに

同社は『リクルートエージェント』のデータを分析した結果、2023年度の中小企業への転職者数は、2019年度の1.68倍と、大企業(1.43倍)の増加率を上回ったことを報告。さらに、中小企業への転職で1割以上賃金が増えた転職者の割合の推移は、2019年度の30.1%から、2023年度の35.4%まで上昇。直近では大企業と比べて賃金が増えた転職者の割合が高くなったという。

また、中小企業において2023 年度に賃金が1割以上増えた転職者の割合を代表的な5つの職種別に見ると「接客・販売・店長・コールセンター(40.2%)」が最も高くなったことも判明。次いで「IT系エンジニア(38.9%)」が続いている。旅行需要や、DX推進のためのIT人材ニーズの高まりは、中小企業にも影響をもたらしていることがわかる。

さらに同社は本レポートにおいて、2024年3月に行った「中小・中堅企業の事業課題・人材課題に関する調査」の結果にも触れている。同調査では、中小企業と応募者の間で折り合わなかった内容として「賃金水準(45.5%)」との回答が最も多く挙げられたという。人材獲得における賃上げの重要性が改めて示唆されたと言えるだろう。

参照:中小・中堅企業の事業課題・人材課題に関する調査「人手不足・採用編」(株式会社リクルート)

まとめ

賃金が増えた転職者の割合から、中小企業が人材獲得に向けて賃金でのアピールに注力していることがうかがえる調査結果となった。人手不足の深刻化が進む中、賃金増は求職者に伝わりやすいアピールポイントとなっていると言えるだろう。

しかし、転職者や新卒の賃金増ばかり行うわけにはいかないはずだ。既存社員の賃金とのバランスも考慮しなければ、結果的に離職を招くことになりかねない。中小企業においては賃上げ原資の確保に苦戦しているケースも少なくないだろう。無理な賃上げは倒産リスクも高める可能性があり、慎重な検討と原資確保に向けた取り組みの充実が必須だ。

賃金で他社との差別化が難しい企業は、自社の魅力について違った角度からのアピールや福利厚生の充実など、採用力強化に向けた工夫がより一層必要となりそうだ。