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医師の働き方改革は?福利厚生「変化なし」が約9割 エムステージグループ調査

2025.06.18

医療人材総合サービス、事業場向け産業保健支援を提供する株式会社エムステージ(東京都品川区、代表取締役:杉田雄二)は、エムステージが運営する『Dr.転職なび』『Dr.アルなび』の登録医師591名を対象に「福利厚生」に関するアンケート調査を実施した。医師の長時間労働や過重労働が社会課題として注目される中、医療現場の福利厚生の現状と、転職先検討時の影響を明らかにしている。

調査概要

「医師の福利厚生」に関するアンケート
調査対象:株式会社エムステージが運営する『Dr.転職なび』『Dr.アルなび』に登録する会員医師
調査日:2025年5月19日〜5月25日
調査方法:webアンケート
有効回答数:591
出典元:医師591名に「福利厚生」に関するアンケートを実施(株式会社エムステージ)

医師の働き方改革の福利厚生への影響と現状

医師の働き方改革の福利厚生への影響と現状

本調査では、勤務先の福利厚生について働き方改革施行前と比べ「変化がなかった(88.0%)」と回答する医師が約9割に及んでいる。「変化があった(12.0%)」は約1割にとどまり、働き方改革の福利厚生への影響は大きくないことが明らかになった。

また、勤務先の現在の福利厚生について「満足していない(60.6%)」との回答が半数を超えていることも判明。その理由としては、制度そのものの整備不足に加え、利用環境に対する課題などが多く挙げられたという。

転職時の福利厚生ニーズと実態のギャップ

転職時の福利厚生ニーズと実態のギャップ

続いて本調査では、転職先検討時の福利厚生について、どの程度重視しているか質問。その結果「かなり重視している(11.2%)」「ある程度重視している(33.8%)」と、約5割の医師が重視していることが判明した。さらに、福利厚生を7つのカテゴリに分類したところ、転職時に最も重視されていたのは「通勤・住宅関連(78.7%)」で、次いで「休暇関連(71.4%)」「職場環境・業務関連(53.5%)」が続いたという。

「通勤・住宅関連」の福利厚生においては、具体的には「通勤手当の支給(62.6%)」が最も求められていることも明らかに。この割合は、現在の勤務先で整備されている割合とほぼ一致しているという。

一方で「休暇関連」「職場環境・業務関連」については現在の勤務先での福利厚生に「なし」と回答する人がいずれも4割を超えており、ニーズと実態のギャップが明らかになった。

まとめ

社会課題として注目される医師の長時間労働・過重労働。2024年4月には時間外労働の上限規制が適用されるようになったものの、働き方改革による福利厚生への影響はそう大きくないようだ。

医師の多くが転職時に重視するという「休暇関連」や「職場環境・業務関連」に関する福利厚生制度については、現在の職場では整備されていないという人が4割を超えている。こうしたニーズと実態のギャップを解消していくことが、医師の労働環境改善へとつながり、人手不足の解消にもいい影響をもたらすのではないだろうか。