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2025年上半期「ゼロゼロ融資後倒産」3年連続で300件超え TDB調査

2025.07.03

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、法的整理(倒産)となった企業のうち、政府系金融機関および民間金融機関による「実質無利子・無担保融資(通称:ゼロゼロ融資)」を受けたことが判明した倒産企業について調査・分析を実施。2025年上半期は前年同期比からは減少したものの、3年連続での300件超となったことを報告した。

調査概要

集計開始:2020年7月
集計期間:2025年6月30日まで
集計対象:負債1000万円以上・法的整理による倒産
出典元:「ゼロゼロ融資後倒産」動向調査(2025年上半期)(株式会社帝国データバンク)

2025年上半期は316件判明、上半期で初の減少

2025年上半期は316件判明、上半期で初の減少

TDBの発表によれば「実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)」を受けていたものの倒産した「ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産(負債1000万円以上、法的整理)」は、2025年上半期(2025年1-6月)に316件判明している。

3年連続で300件を超えており、そのリスクが未だ続いている様子がうかがえるものの、上半期としては初めて前年同期(391件)から減少に転じている。なお、2020年7月に初めて倒産が確認されて以降の約5年間の累計は2272件となったことが明らかになった。

業種別では「小売業:66件(前年同期83件)」「建設業:62件(同74件)」「製造業:60件(同63件)」が目立つ。負債額別では「1億円以上5億円未満:142件(構成比44.9%)」「5000万円未満:86件(同27.2%)」が高い割合を占めている。

TDBは、2023年1月に制度が開始した「コロナ借換保証」の返済が始まっている企業も存在するなか、物価高や人手不足、価格転嫁難などの経営リスクを抱え、借入金の返済原資の確保に苦しむ企業も少なくないとして「ゼロゼロ融資後倒産」のリスクは引き続き高水準で推移するとみているようだ。

まとめ

TDBはコロナ禍の2021年、倒産件数が6015件と半世紀ぶりの歴史的低水準を記録したことに触れ「ゼロゼロ融資」が倒産の抑制につながったとの考えを示した。一方で、倒産の先送りを招いたケースも少なくないことが、本調査結果からうかがえる。

国内景気も低調の中、企業を取り巻く環境は不安定な状態が続く。引き続き高水準での推移が見込まれている「ゼロゼロ融資後倒産」の動向については、今後も注目したいところだ。