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ビジネスチャットとは 導入すべきつの理由と活用のポイントを解説

2020.09.15

ビジネスシーンの移り変わりは目まぐるしく、他社に遅れを取らないためには必要に応じて社内ツールやシステムを新規導入する事が重要だ。ビジネスツールは様々な製品がリリースされているが、中でも注目を集めているのがビジネスチャットと呼ばれるものである。今回はこのビジネスチャットについて、活用のポイントや導入のメリット・デメリットなどを紹介していく。

1.ビジネスチャットのキホンを知ろう

チャットシステム自体はネットワーク環境が整っている職場であれば、既に利用している企業も多いだろう。しかし、ビジネスチャットには通常のチャットツールとは異なる点がいくつか存在している。まずはビジネスチャットの基礎知識と特徴を押さえておこう。

1-1.ビジネスチャットとは
通常のチャットツールと言えば、テキストや画像のやり取りが主な機能となっているだろう。ビジネスチャットではそこに様々な機能が備え付けられ、業務連絡やビジネス上での用途に特化しているのが特徴だ。SNSのような使い心地の軽さとビジネスに必要とされる機能を備え合わせたツールであり、コミュニケーション活発化・業務効率化といったポイントを焦点としている。データや進捗状況をネットワークを通じて共有する事が可能となるため、社内に限らず社外取引先や系列企業とも情報共有が可能だ。

従来のチャット機能に加えて、ビジネスチャットでは部署やプロジェクトチームごとにグループを作成して必要なメンバーにのみメッセージを送信することが可能になっている。メッセージを作成するごとにいちいち宛先を個別に選択する必要がない。また、仕事を進行していく上ではテキストメッセージのやり取りだけでは伝わりにくい業務内容も少なくない。例えば、イベント制作などに用いるデザイン・BGM・効果音の確認といったものが代表的だが、ビジネスチャットでは音声・ビデオ通話にも対応しているツールが多いため、こうした視覚的あるいは聴覚的な要素を含むコミュニケーションも容易にできる。さらに、ワード・エクセル・パワーポイントをはじめとするオフィス系ソフトウェアで作成したファイルの共有やチームや部署単位で細かく把握しておきたいタスク・スケジュール管理といった機能も利用出来る。

1-2.注目されている理由は?
ビジネスチャットというツールが注目を集めているのには、いくつかの社会的背景が理由となっている。例えば、その一つに日本の産業が全体的に「生産性の向上」という課題を抱えているという点が挙げられるだろう。現代の日本は少子高齢化が進行しているため、労働人口の減少が顕著となっている。少ない人員で仕事をこなさなければならず、長時間労働や残業を強いられる現場も少なくない。こうした問題を解決するには生産性を向上させる事が近道になるため、業務効率化に効果が期待されるビジネスツールに注目が集まっているのだ。

さらに、日本では「労働の柔軟化・自由化」が唱えられている。日本の雇用形態は正社員雇用が主流となっており、毎日決まった時間・決まった場所に通勤して働くというのが一般的だ。しかし、欧米諸国ではフリーランスで働く人が増え、育児と仕事を掛け持つ女性や社会的に立場の弱い人々が積極的に社会へ参画する機会が設けられている。日本でもこうした働き方の柔軟性を高めるべきだという声は強く、在宅ワークにとって重要なツールとなるビジネスチャットにスポットライトが当てられている。

このように、日本では労働環境の抜本的な改革が必要だという声は多い。それはフリーランスや在宅ワーカーに限らず、従来のような会社勤めの場合でも同様だ。「働き方改革」というキーワードが広く知られている事からも分かるように、勤務スタイルや業務プロセスの見直しを行う企業も増えている。ビジネスチャットは幅広いジャンルの業態に対応出来る柔軟さを備えているため、働き方改革に乗り出す多くの企業にとって頼もしいツールとなっている。

2.ビジネスチャットのメリット・デメリット

ビジネスチャットは、通常のチャットツールやメールよりも迅速かつ効率的なコミュニケーションが可能だ。ビジネス用の連絡手段として適した会話形式のインターフェースで端的に要件を伝えられる他、出張先や外回り中のスタッフに対しても時間や場所を問わずメッセージを送信出来る。データの添付やファイルの共有といったアクションも簡単に行えるため、業務進行がスムーズになる事も期待出来るだろう。なお、ビジネスチャットは一般的なチャットツールよりもセキュリティ面に配慮されている製品が多い。不正アクセス対策やデータの暗号化、ユーザーのID管理といった仕様がその一部だ。そのため、社内の機密情報が漏洩してしまう危険性が低く、気兼ねなくコミュニケーションを取る事が出来る。多様な業種や働き方に対応すべく機能面が充実しているため、ビジネスチャットひとつで様々な役割を賄えるというのも魅力だろう。

多くのメリットが期待出来る一方で、ビジネスチャットには懸念しておきたいデメリットも存在する。その一つが導入コストだ。ビジネスチャットの導入にはサービスの利用料金がかかり、さらにはスタッフがツールを使いこなすための教育コストも必要となる。また、ビジネスチャットは様々な製品がリリースされているため、自社にマッチするものを選ぶ事が重要だ。自社に必要のないツールを利用しても、かえって利便性に欠ける結果となってしまうだろう。

3.おすすめのビジネスチャット!

アメリカで開発された「Slack」は世界150ヶ国以上で利用されているスタンダードなビジネスチャットだ。SNSや外部アプリとの連携が容易であり、既存の業務システムに合わせてカスタマイズ可能な点が人気を博している。シンプルなインターフェースで操作性も良好なため、初めてビジネスチャットを使う従業員でも慣れるのにそう時間はかからないだろう。利用プランはフリー・スタンダード・プラスの3段階から選択可能となっている。

日本製のビジネスチャットでは「Chatwork」がおすすめだ。グループ・個別チャットの切り替えや外部ツールとの連携といった基本性能が充実しており、利用プランは4段階から選択可能になっている。特筆すべきはセキュリティ意識の高さであり、すべての情報はSSL/TLS方式で暗号化される。加えて、機密性の高いアップロードファイルについてはAES256と呼ばれる最高クラスの暗号化方式が採用されている。

プライベート向けのSNSとして広く知られているLINEからも「LINE WORKS」というビジネスチャットツールがリリースされている。基本的な操作感や機能性はLINEと同様のため、教育コストが抑えられるという点はメリットと言えるだろう。特徴的な機能としては、意識調査・アンケート機能・業務効率化のためのBot機能などが挙げられる。

4.導入時の気をつけたいポイントは?

ビジネスチャットの導入に際しては、まず目的を明確にしておく事が重要である。自社が抱えている問題点は何なのか、それを解決するためにはどういった機能を備えたツールが必要となるのかを洗い出そう。不要な機能が多いツールは、かえって現場の混乱を招く結果となってしまう可能性もある。機能面の精査だけではなく、現場のスタッフが使いやすいように出来るだけシンプルなインターフェースが望ましいだろう。また、既存ツールを併用していく場合にはどのように住み分け・使い分けを行うのかも考えておきたい。ビジネスチャットは自社の目的や環境に合わせたものを導入する事で、初めて恩恵を受けられるものであるからだ。

ビジネスチャットの導入は、何も最初から全体規模で行う必要はない。試験的な運用として、まずは部署単位で導入してみるのも賢明な判断だ。部署内での評価や効果が良好であれば、部署間での連絡に発展させて、最終的に企業全体での運用を目指すのが良いだろう。試験運用であれば各ツールの無料プランを利用して、複数のツールを比較してみるのも一つの手だ。本格的にビジネスチャットを導入する前には社内での利用ルールを明確にして、スタッフ全員に周知するように心がける事も重要である。

ビジネスチャットの活用で業務改善を図ろう!

ビジネスチャットは、業務効率化や働き方改革を望む社会的な背景から注目を集めている。現代のビジネスシーンを生き抜くには、こうした利便性の高いツールは是非使いこなしておきたい。しかし、単にツールを導入すれば良い訳ではないという点には注意が必要だ。必要な機能は備わっているか、使い勝手は良好かなど大切なポイントを押さえた上でビジネスチャットによる業務効率化を図ってみてはいかかだろうか。

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