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人事労務管理システムを導入の手引きから主要おすすめサービスを比較して紹介

2022.01.14

人事労務は仕事内容の幅が広く、書類作成や提出など手間のかかる仕事が多い。それゆえに担当者の負担が重く、業務の効率化が急務と考える経営者も多いだろう。人事労務管理システムを提供するベンダーは数多くあり、特徴はそれぞれで違う。ここでは、システムで対応可能な業務範囲からお勧めのサービスまで紹介していく。

人事労務管理システムの主な対応業務範囲

提供するサービス会社によって人事労務管理システムの対応範囲は異なるが、広範な業務をカバーしていることが多い。多くのサービスで対応可能な業務を詳しく見ていこう。

■従業員の勤怠管理■
従業員の勤怠管理は大切な仕事の一つ。勤怠管理を単独で行うシステムもあるが、人事労務システムでは以下のような周辺業務までカバーできる点が大きな特徴と言える。

・入社・退社申請管理
入社・退社には多くの書類が必要で、関係機関への書類の提出が義務付けられている。社会保険、雇用保険の書類から扶養控除等申告書などさまざまな書類の作成、申請、管理が必要だ。

・給与計算
従業員のモチベーションに関与する給与計算。ミスなく計算し、渡すのが当たり前とされるが、保険料の計算や残業代や休日手当などの変動的な支給もあり、ミスなく計算するために担当者は大きな負担を強いられている。

■従業員情報の管理■
従業員の情報管理も大切な仕事だ。連絡先や住所といった個人情報から、スキルや所有資格などの人事で役立つ情報まで、常に最新の情報を管理することが求められる。

・マイナンバーの収集・管理
労務手続きに必要なマイナンバーを従業員から収集する必要があるが、取得したマイナンバーは安全に管理する義務もある。

・扶養家族の追加や削除
従業員が結婚・離婚、家族が増えたり減ったりしたときは、速やかに関連機関へ届け出る必要がある。

■労務管理の書類作成・行政手続き■
労務管理をする上でもっとも手間と時間がかかるのが書類の作成と行政手続き。システムを利用すればWeb上で書類作成から手続きまで完結できるものばかりだが、どういった書類があるのか見ていこう。

・雇用契約書
従業員を採用した際に交わす雇用契約の内容を記した雇用契約書。多くは労働契約書と一緒に作成される。

・労働契約の期間
・有期雇用労働契約の更新基準
・就業場所
・就業時間
・休日
・賃金
・退職(解雇を含む)に関する事項

中でも上記項目は必須記載事項だ。2019年4月1日から書面での交付だけでなく、WebメールサービスやSNSメッセージなど多様な方法での交付が認められたことで、労働管理システム上で発行することも法的に認可されている(参考:厚生労働省「『労働基準法施⾏規則』改正のお知らせ」)。

・秘密保持誓約書
従業員が業務上知り得た情報を外部にもらさないようにするための誓約書だ。この誓約書がないと、従業員が自社の機密情報を持ち出しても法的措置が取れなかったり、従業員の不正により情報が漏洩し、顧客や取引先から損害賠償を請求された際に従業員にその責任を負わせたりすることができなくなってしまう。

ただ、誓約書は法的効力が認められるように作成する必要があり、基本的には専門家に依頼するのが安心だ。

・給与支払報告書
従業員が1月1日に住民票上で居住している各市区町村に、前年度の給与所得の金額等を提出することが事業者には義務付けられており、その書類を給与支払報告書という。主に住民税を算定するために利用されており、「給与支払報告書個人別明細書」「給与支払報告書総括表」「普通徴収切替理由書兼仕切書」の3つの書類の作成が必要だ。

・源泉徴収票
1年間、会社から支払った給与等の金額と従業員が支払った所得税の金額が記された書類が源泉徴収票だ。在職中の従業員には年末調整後に配布され、それ以外では退職時に渡される。

・所得税徴収高計算書
毎月の従業員の給与から差し引いている所得税。これを源泉徴収と呼び、徴収した翌月10日までに税務署に納付しなければならない。その際に提出するのが所得税徴収高計算書だ。書類は給与所得なのか、報酬料なのかなど、対象となる所得によって異なる。

・扶養控除等申告書
扶養控除等申告書は主に年末調整の際、従業員に提出してもらう書類で、所得税の扶養控除を受けるために提出する。年末調整時期以外にも中途採用された場合には最初の給与支払いを受ける前日までに提出する必要がある。

・保険料控除申告書
年末調整の書類と一緒に渡されることが多い保険料控除申告書。生命保険料や地震保険、社会保険料などに1年間支払った金額の一定額が所得控除になる。2020年10月、年末調整を電子化対応している会社においては電子控除証明書のデータ提出が可能になった。

■人材マネジメント■
人事領域の大切な仕事として人材マネジメントがある。会社が成長していく上で従業員のマネジメントは欠かせない。どういった業務をしていく必要があるのか確認しよう。

・従業員の育成
スキルアップやモチベーションアップを促すことも人事の仕事。社内教育制度の充実や講習・勉強会への参加、資格試験の取得奨励など制度を立ち上げるほか、社員一人一人の育成計画の作成も求められる。

・従業員の配置
人事異動で従業員を適材適所に配置するのも欠かせない業務の一つ。そのためには人事評価をしっかりと行う必要がある。従業員データを一元管理してあれば、各従業員の能力を把握でき、それぞれが能力を発揮できる配属先に配置することができる。

主要おすすめ人事労務管理システムサービス

これから人事労務管理のシステムの利用を検討する人にお勧めしたいサービスを紹介する。

「 SmartHR 」
社員名簿をデータベースで管理し、個人情報は従業員に直接入力してもらうことでミスなく人事の負担も軽減できる「SmartHR」。

労務手続きから年末調整まで、ウェブ上で完結できるのが特徴だ。また、40以上の外部サービスと連携しているため、給与計算や勤怠管理、人事評価などで取得したデータを活用することで更なる業務の効率化を進めることができる。30名以下の事業所の場合、必要最低限の機能は無料で利用することができる。
(サービス詳細はこちら

「 ジョブカン労務管理 」
従業員情報を顔写真付きでクラウドに一元管理する「ジョブカン労務管理」は、すべての労務業務を自動化・効率化するサービスで、多くの大手企業で導入されている。面倒な社保・労保手続きは書類の作成から提出まで行うことができる。

ジョブカンは労務管理以外にも給与計算や勤怠管理などさまざまなサービスを展開しており、連携が可能。利用機能に制限はあるが、5名までなら無料で利用が可能だ。
(サービス詳細はこちら

「 人事労務 freee 」
会社の規模感に合わせた労務管理の課題を解決する「人事労務 freee」。入退社から勤怠管理、給与計算まで人事労務に関する業務の効率化を進めることができる。

給与計算は毎年のように変わる税率計算によりミスが発生しがちだが、freeeであれば常に最新の税率が設定されているためミスなく計算可能。給与明細や年末調整はペーパーレスで完結するためコスト削減にも役立つ。
利用したい機能により料金プランが変わるので、自社に必要なプランを選んでほしい。
(サービス詳細はこちら

「 MFクラウド給与 」
“給与計算をもっと簡単に“をキャッチコピーにサービスを提供している「マネーフォワード クラウド給与」。
給与計算に関わる多くの業務を自動化して業務効率を大幅に改善でき、各種保険や所得税、社会保険料の料率変更も無料でアップデートされるので安心だ。

各種書類のペーパーレス化によりコストの削減も実現できる。個人、30人以下、31名以上で利用料金が変わるので、事業規模に合わせた金額負担で利用可能だ。
(サービス詳細はこちら

「 jinjer労務 」
労務関連の書類を自動作成し、Web申請することで担当者の業務効率を大幅にアップさせる「jinjer労務」。さらに、各種手続きの進捗状況を可視化することで仕事の抜けや漏れを防ぐことができる。

情報はクラウドに保存されるため、サーバーの設置が不要で書類の保管場所や管理も必要なし。1ユーザー月額300円という分かりやすい料金体系も好感が持てる。
(サービス詳細はこちら

「 Bizer 」
人事労務の仕事は並行して複数の業務を行うことが多く、締め切りもそれぞれ。そんな業務のスケジュールを自動で知らせる機能を持つ「Bizer」。

経理や労務関連の書類作成で分からないことがあっても社内に聞く人がいないという人にありがたい専門家への相談サービスがあり、さらに書類作成等の代行依頼も簡単にできる。1事業者で月2980円というわかりやすい料金体系なのも魅力だ。代行サービスはその都度料金がかかる。
(サービス詳細はこちら

「 オフィスステーション労務 」
人事労務に関する対応帳票書類は107種類と顧客満足度の高い充実度が魅力の「オフィスステーション労務」。多くの書類作成の手間を大幅に省くことが可能だ。

人事労務以外にも他のシリーズを展開しているため、簡単に機能の追加ができる。従業員1人あたり月額440円で、大企業でも同額だ。10人以下の企業の場合は月額一律4400円となる。
(サービス詳細はこちら

「 Zohoピープル 」
従業員データベース管理システムで、効率的に人事管理ができる「Zohoピープル」は、勤怠・休暇・工数・スケジュール管理がどこにいてもできるサービスだ。人事評価についても自社に合わせたカスタマイズを行い、簡単に評価をすることができる。

機能によって料金が変わり、1人あたり月額100円から960円まで5種類のコースがある。自社にとって必要な機能を備えたコースを選んでほしい。
(サービス詳細はこちら

人事労務管理システムの選び方

ここまでで、たくさんの人事労務管理システムがあることが分かったが、ではどのサービスを選べばいいのか迷ってしまう人も多いだろう。ここではそんなシステムの選び方についてレクチャーする。

● 業務の対応可能範囲から選ぶ
まずはどういった業務でサービスを利用したいのかを明確にしよう。

具体的には、現在困っていて改善したいことをリストアップし、改善するにはどういったサービスを利用すればいいのか明確にする。そうすることで、利用したいサービスを提供しているシステムをピックアップすることができる。

● 他システムと連携性から選ぶ
現在、人事/労務以外の業務ですでにクラウドサービス等を利用している場合、連携できるか否かは必ず調査したい。連携できるサービスから選ぶことで、業務の大幅な効率化が図れる。

● 使いやすさ・サービスのわかりやすさから選ぶ
どんなに自社の利用したいサービスを提供していても、使いにくかったら意味がない。使いやすさやわかりやすさもチェックしよう。
多くのサービスでは無料体験ができるため、ぜひ利用をしてほしい。

● 1人あたりの人事労務管理にかかるサービス利用コストから選ぶ
たとえ業務改善が見込めるとしても、コストを含めて会社にとってプラスになるかは見極める必要がある。従業員1人あたりにかかるコストを計算し、利用する価値があるかを判断したい。

人事労務管理システムは専業サービス・総合サービスどちらがおすすめ?

1つの機能に特化した専業サービスと人事/労務業務全般をカバーする総合サービス。基本的には企業規模やバックオフィスの担当者数によっておすすめは変わる。

企業規模が大きいほど1つずつの業務にかかる仕事量が多く、縦割りで担当者がいる。総合サービスを利用して各担当者の負担を減らし、連携しやすいようにしたい。

企業規模がそれほど大きくない場合でも、バックオフィスの担当者が少なく広範な仕事をこなしている場合は総合サービスの方が負担を減らすことができる。

ただし、機能が増えれば増えるほどコストも上がるので、専業ツールで十分カバーできるようであれば専業ツールを選ぶとよいだろう。続いて専業サービスの中からそれぞれの業務でおすすめしたいサービスを紹介していく。

【人事労務】の手続きは「 SmartHR 」がおすすめ
人事労務管理システムでもっとも業務効率化が見込めるのが「SmartHR」。入社時にIDを発行し、自ら情報を入力してもらうことで、担当者の元に情報が提供される上にそのデータで多くの書類作成が簡単にできる。

【給与計算】の手続きは「freee 」や「 マネーフォワード 」などの会計付属サービスがおすすめ
給与計算システムでは、会計サービスを提供しているfreeeやマネーフォワードに軍配が上がる。給与形態に合わせて給与計算ができ、毎月の複雑な作業が軽減できる。

【勤怠管理】は「ジョブカン勤怠管理 」がおすすめ
勤怠管理の業界シェアトップは「ジョブカン勤怠管理」。勤怠に関わるすべての機能が備わっている上に、変形労働時間制、フレックス制、裁量労働制などさまざまな勤務形態でも細かな設定ができるのも人気の理由だ。

まとめ

システムの機能は各社で細かくは違うが、目的は同じ。業務の改善や効率化を進めたいということだろう。今回紹介したサービスは簡単に業務効率や改善が叶うので、まずは資料を問い合わせて無料体験版を使い、導入を検討してみてほしい。

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