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経費精算の効率化のポイントと用途・強みに分けたおすすめの経費精算システムを紹介

2022.01.24

企業の規模や業種にかかわらず、どんな企業でも発生する経費精算業務。経理担当者の中には、月次や日時での煩雑な経費精算業務に手を煩わせている方も多いのではないだろうか。そこでこの記事では、経費精算業務の基礎から、効率化のポイントを解説し、効率化におすすめの経費精算システムを紹介する。経費精算業務の時間短縮やミス削減にお悩みの方はぜひ参考にしてほしい。

経費精算の定義

まずは経費精算の基礎知識に触れておこう。
経費精算とは、従業員が事業活動のために支払った費用を従業員の申請を受けて会社が払い戻すフローを指す。

この章では、担当者が経費処理を行う際に必要となる経費の仕訳と、業務フローについて解説する。

経費精算の勘定科目
経費を正しく処理するには、そもそも何が経費に当たるのかを把握しておく必要がある。大きくは「業務を行う上で必要になった費用」ということになるが、ここでは具体的に経費に該当する主な勘定科目を紹介しよう。

〔個人〕
出張にいった場合の旅費交通費、文房具などを購入した場合の消耗品費、お土産代やゴルフ代などの接待交際費、事業に必要な情報を収集するための書籍代などの研修図書費など

〔事業所〕
租税公課、保険料、賃借料、水道光熱費、通信費、広告宣伝費、修繕費、車両費、減価償却費、給与賃金、外注費など

経費精算の業務フロー
ここでは、出張時の旅費を精算するケースを例にとって説明しよう。

1.従業員が費用を支出する
出張交通費、ホテル代など、業務にかかった費用を従業員が支払う。

2.領収書をもらう
後で申請時に信憑として提出する領収書を支払い先から受け取る。

3.経費精算申請を行う
申請書類とともに領収書を添付して従業員が申請を行う。経理に提出する前に上司の承認を得るなどのフローを設けている企業も多いだろう。

4.経理が申請内容を確認し、仕訳をする
経理担当者は、金額や出張ルートが適正であるか等を確認した上で、「借方:旅費交通費、貸方:現金」のように仕訳を行う。

5.従業員に費用を支払う
即時あるいは指定日に従業員へ立替分を支払う。

上記が基本的な流れだが、企業によっては金額・費用の内容などによって承認フローなどは様々だろう。どういった内容までを事後申請を受け付けて良いのか、金額に上限はあるのか等が不明確だと経理担当者の負担にもなりかねない。
必要に応じて社内ルールを設けて、周知徹底するようにしよう。

経費精算書の主な種類

次に、経費精算業務に使われる主な3つの書類について説明しよう。

● 仮払経費申請書
一時的とはいえ、従業員が費用を立て替える負担をなくすために仮払いの制度を設けている会社も多いだろう。仮払いとは事前に概算の費用を従業員に渡しておく制度のことである。
例えば遠方への出張がある際に、事前に従業員が概算の費用を見積もって仮払経費申請をしておき、出張前に経理が現金を渡しておくことができる。経理担当者はその申請をもって、「貸方:仮払金 借方:現金」のような形で仕訳を行う。

● 仮払経費精算書
仮払経費申請書と対になるのが、仮払経費精算書だ。事後にかかった費用を申告し、余剰や不足があれば差額の入出金を行う。通常の経費精算と同様に、内訳の記載や領収書の添付も必要だ。

● 出張旅費精算書
経費精算の中でもとりわけ取扱いが多いのが出張旅費だろう。交通費はバスや在来線などであれば領収書を添付しない代わりにルートを細かく記載してもらう必要がある。適正なルートだったのか、通勤定期の範囲外かなどをチェックできるよう、専用のフォーマットを用意しておくと良い。

手続きと支払い管理の効率化のための経費精算システムの選び方

続いては、煩雑な経費処理の効率化に役立つ経費精算システムの選び方について解説する。企業によってマッチする経費精算システムは異なるため、どういった基準で選定すれば良いのかを抑えておこう。

業務フローの改善寄与度
最も重要なポイントと言えるのが、業務フローの改善寄与度である。経費精算には申請者や承認者、経理担当者と様々な立場の人が関わる。経理担当者のチェックの負担はもちろんのこと、申請者の入力・申請のしやすさ、承認者のチェックのしやすさなども重要である。現状のフローでどこに問題があるかを洗い出し、その対策として適したシステムを選ぼう。

経費精算のシステムの利用料
上述の導入効果と合わせて検討すべきなのが費用の問題だ。経費精算システムは1ユーザー当たりで数百円〜という費用感だが、導入するとなれば全社導入が求められる。初期費用やオプション費用などを含めてトータルの費用で比較検討しよう。

会計ソフトとの連携
経理担当者にも大きな影響を与えるポイントとなるのが会計ソフトとの連携だ。現在利用している会計ソフトとシリーズ連携やAPI連携ができれば、入力の手間もミスもなくなる。

有事の際のサポート体制
経費精算システムは全社導入が基本となるため、中にはシステムに不慣れな人もいるだろう。また経理担当者としても経費の処理には期限もあるため、システムを導入したことで業務が止まってしまうリスクは回避したい。サポート体制が整っているかどうかもチェックをしておこう。

利用料が安く導入のハードルが低い経費精算システム

ここからはおすすめの経費精算システムを紹介しよう。特徴別に4つのカテゴリーに分けて取り上げていくので、自社が重視するポイントに合わせて適したものを見つけてほしい。
まずは利用料の安さが魅力の経費精算システムを3つ紹介する。

「 kincone 」
勤怠管理に交通費精算の機能がついた「kincone」。交通系ICカードやモバイルSuicaなどから自動登録ができ、交通費精算にかかる時間を大幅に削減可能。さらに他社サービスとの連携も充実しており、1ユーザー当たり月額200円という安さは大きな魅力だ。

「 rakumoケイヒ 」
rakumoシリーズは、Google WorkspaceやSalesforceとシームレスに連携ができるクラウド拡張ツールだ。その中の1つ「rakumoケイヒ」は交通費・経費にしており、1ユーザー当たり月額300円で利用が可能。NAVITIMEと連携しており、ルートを検索したら自動で登録ができる。会計システムとのCSV連携も可能だ。

「 ハイ!経費 」
テレワーク向け経費精算システムを謳う「ハイ!経費」。1アカウント当たり月額300円で仮払い申請対応や自動仕訳、承認フローの設定など、経費精算に必要な基本的な機能をカバーしている。プロジェクト単位での経費管理ができる点も魅力だ。

システム連携に重きがある経費精算システム

続いては、システム連携に強い経費精算システムを3つ紹介しよう。

「 経費精算freee 」
クラウド会計ソフトでお馴染みのfreeeが提供する「経費精算freee」は、稟議や承認のフローから、経費精算、freee会計への登録までワンストップでできる点が最大の特徴。申請者もスマホで領収書を撮影して数項目を入力するだけでよく、大幅な時短が可能だ。

「 jinjer経費 」
「jinjer経費」はバックオフィス業務の効率化を支援するjinjerシリーズの経費精算システムだ。交通費や各種経費の申請に対応しており、承認フローも10段階まで設定できるなど機能も充実。さらにサポートプランも3種類用意されている点も魅力である。

「 ジョブカン経費精算 」
「ジョブカン経費精算」はシリーズ累計で12万社が導入しているジョブカンの経費精算システム。乗換案内と連携しているほか、ICカードの読み取りにも対応。自動仕訳もでき、条件によって承認ルートを分岐させることも可能だ。

交通・旅費精算のしやすさに重きがある経費精算システム

3つ目は、交通費・旅費の精算が多い企業におすすめの経費精算システムを取り上げよう。

「 Spendia 」
大企業が抱える経費精算の悩みに対応している「Spendia」は、ロボット承認や無制限のワークフローなど充実した機能を搭載。出張予約サービスや法人カードとの連携によって出張手配や仮払いの手間を省くことも可能だ。

「 J'sNAVI NEO 」
「J'sNAVI NEO」はJTBが開発した経費精算システム。旅費はもちろんのことあらゆる経費の精算に対応しており、JTBならではの出張手配機能が大きな魅力だ。チケット手配から精算までを大幅に効率化できる上、会計システムとの自動連携も可能となっている。

「 らくらく旅費経費.net 」
交通系ICカードや駅すぱぁと連携しており、旅費精算に強いのが「らくらく旅費経費.net 」だ。海外出張や仮払いにも対応。複雑な承認ルートも設定が可能だ。また、会計給与システムとの連携が充実している。

カスタマイズのしやすさに重きがある経費精算システム

最後に、カスタマイズがしやすい点が魅力の経費精算システムを3つ紹介する。

「 WAVE225旅費・経費精算 」
「WAVE225旅費・経費精算」はNTTデータグループが提供する旅費・経費精算や稟議に対応するオープンソースソリューションだ。大企業やグループ企業の複雑な規定にも柔軟に対応が可能。CPUライセンスのため、ユーザーが増えても追加料金が発生せず、グループ会社でも利用できる点もうれしいポイントだ。

「 BIZUTTO経費 」
「 BIZUTTO(びずっと)経費」は経費・交通費精算の一連の業務をカバーする高機能な経費精算システム。日当の自動計算やガソリン代の計算など、痒い所に手が届く機能が魅力だ。10名単位で契約ができるため余計なコストもかからない。

「 STAFee 」
「STAFee(スタフィー)」は経費精算をはじめ多様な決裁業務をスマートにする経費精算・申請システム。申請メニューは自由に設定でき、経費精算を伴わない各種申請業務のワークフローシステムとしても利用が可能。また、画面をカスタマイズできるため、既存の帳票をそのまま電子化できる点も大きな特徴だ。

まとめ

申請する側にもチェックする側にも負担の大きい経費精算業務。効率化とともにミス削減やガバナンス強化にもつながる経費精算システムは、経費精算の悩みを一気に解消する手助けとなるだろう。現在は様々な特徴を持った経費精算システムが登場しているため、ぜひ自社にあったシステムを見つけて業務改善に取り組んでほしい。

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