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債権管理の課題や効率的な管理方法とおすすめの債務管理・債権管理システムを紹介

2022.01.31

会社の資金繰りを先々まで把握するために欠かせないのが債権・債務管理。知っている言葉ではあるが、きちんと理解できていないと感じる人は多いのではないだろうか。ここでは、そんな債権・債務管理の定義や簡便な管理が可能となるシステムについて紹介する。

債権・債務管理とは

まずは債権・債務管理に関して理解を深めたい。それぞれの言葉の定義について説明していこう。

■ 債権と債務の違い
企業間取引で主流となっている掛け取引を行う際に発生するのが債権と債務だ。債権は対価を請求する権利であり、請求する側に発生するものである。それに対して、債務は対価を支払う義務であり、支払う側に発生するものである。

■ 債権管理の定義
債権という言葉には代金の支払いだけでなく商品やサービスの提供を求める権利も含まれるが、債権管理で扱うのは通常、売掛金のみである。商品やサービスの提供後、期日までに売掛金を回収できるよう管理することを債権管理という。

■ 債務管理の定義
債権管理とは逆に、自社が支払うべき買掛金を管理するのが債務管理だ。支払いが遅れれば与信に関わるため、期日までに漏れなく支払いが完了するよう管理することをいう。

■ 資金繰りの対策
債務管理の実施は資金繰り対策に重要な意味を持つ。たとえ黒字経営であっても入金や出金には波があり、キャッシュが底をつくタイミングが生まれてしまえば黒字倒産にもなりかねない。そうならないために先々の支払いを管理し、資金繰りを行う必要がある。

■ 支払い遅延防止
企業は毎月数十件から数百件、あるいはそれ以上の支払いを抱えることも多く、決して覚えておける数ではない。十分に資金があっても、うっかり支払いが漏れてしまえば取引先に迷惑をかけ、取引にも影響を及ぼしかねない。ミスなく運用できる管理体制の構築が必要である。

■ 企業与信の向上
支払いの遅れは企業としての信用に直結する。単に心象を悪くするというだけでなく、取引にも影響するものである。支払いが完了するまで次回の取引を停止され、以後の支払いが前払いになるケースもあるだろう。企業の信用を守ることは事業を拡大する上でも重要な意味を持つ。企業の最低限のリスク管理として、債務管理は徹底しておくべきである。

債務管理業務の内容

続いては債務管理業務について説明する。債務管理とは主に買掛金の管理業務だ。買掛金を確実に支払うことは会社経営を続けるための基本的な活動。しっかりとした仕組みづくりをしてほしい。

● 仕入先別買掛金台帳の作成
仕入先別買掛金台帳とは取引先ごとに買掛金を管理するための補助的な帳簿だ。具体的には買掛金の残高を取引先ごとに記録した台帳で、取引先への買掛金残金が一目で把握できるようになっているもの。買掛金の支払い漏れは取引先からの与信に関わるため、しっかりと管理して支払い漏れがないようにしたい。

● 取引先別支払予定実績表の作成
先ほどは取引先別の台帳だったが、取引先別支払予定実績表は支払い月日ごとの支払額を取引先別にまとめた表だ。支払い方法や支払額を記すとともに、月ごとの総支払額を記録する。

● 支払日別支払予定額の集計
支払日別支払予定額の集計の表では、支払日別に並べられた債務が記されている。支払い済みの請求に関しては専用の印をつけておく様にし、支払い漏れだけでなく重複払いも防止するようにしたい。

● 各種支払手続き
仕入先別買掛金台帳と取引先別支払予定実績表を照合し、記録に従って、各支払い方法によって支払い手続きを進める。支払い漏れ、重複払いがないように注意する必要がある。

業務効率化におすすめの債務管理・債権管理システム

さまざまな補助帳簿が必要でミスが起きやすい債務管理だが、それら業務を簡単に行えるようにしたシステムがいくつも開発されている。中でも特に評判の高いサービスを紹介する。

「 マネーフォワード クラウド債務支払 」
支払い、請求書の課題を解決する「マネーフォワード クラウド債務支払」。メールで受領した請求書のデータを自動で取り込んで連携できる優れものだ。電子帳簿保存法に対応しているため、請求書をデータで管理できることも魅力だ。

「 OBIC7 」
総合業務ソフトウエアである「OBIC7」は、会計を基本としながら他業務向けのシステムを提供し連携できるサービスだ。その中でも財務部門向けソリューションが債権・債務管理しシステムを提供しており、業務の効率化を実現できる。

「 支払管理の達人 」
毎月の支払い業務を簡素化し、各財務会計ソフトに連携できると支持されている「支払管理の達人」。また、利用する会社ごとに使い勝手の良いレイアウトになるようカスタマイズをしてくれるため、自社にとって必要な機能だけを備えたシステムにできる点も強みだ。

「 V-ONE クラウド 」
手作業で行っていた入金消し込みを自動化し、Excelなどで行っていた手作業を大幅に削減してくれる「V-ONE クラウド」。独自の学習機能により、高精度な自動消し込みが可能だ。中小企業から大企業まであらゆる規模の企業で導入事例があり、導入までのサポートも万全だ。

債務管理・債権管理システムの比較ポイント

これから新たに債務・債権管理システムを導入する場合、何をもとに選択するのか迷う人もいるだろう。ここではシステムを比較する際の指針にしてほしいポイントを紹介する。

✓ 料金プラン
システム料金にはかなり幅があり、言わずもがな機能が増えるに従って価格が上がっていく。自社が導入したい昨日を厳選し、それらをフォローできるシステムを選ぶようにしてほしい。

✓ 導入形態
システムの導入には2つの方法がある。
クラウド型:オンライン上でサービスを受けることができる
インストール型:ソフトウエアを購入し、自社のサーバーにインストールして利用する

クラウド型は初期費用がかからず導入が簡単だが毎月運用コストがかかる。一方のインストール型は初期費用がかかり、初期設定にも手間がかかるが月々の運用コストはかからない。どちらにもメリットデメリットが存在するので、自社にとってどちらが有用か検討しよう。

✓ 対象従業員規模
システムごとに対応できる最低人数、最高人数が違うため、気になるシステムが出てきたら、対象従業員規模をまずは確認してほしい。

✓ 対象売上規模
従業員規模の他に売上規模も大切な比較ポイントだ。売上規模が大きい企業向けのシステムでは必要な機能が増えることからコストも上がる。
自社の事業規模よりも上のプランを選択してしまうと過度なサービス内容が含まれてしまい、割高になる危険性がある。自社の規模にあったシステムを選んでほしい。

✓ システム連携
現在債務・債権管理システム以外のシステムを利用している場合、連携できるかどうかも重要なポイントとなる。自動で債務・債権管理情報が入力できればその分ミスや業務が減らすことができる。

✓ サポート体制
初めてシステムを導入する場合、疑問が生じたときに相談できるサポート体制が整っていると安心だ。トラブルが発生したときにも心強い味方となってくれるだろう。メールでの問い合わせのみなのか、電話対応があるのか、電話対応は時間指定があるのかなど、サポート体制の充実度をチェックしてほしい。

まとめ

取引先との信用を左右する債務管理は企業運営上で欠かせない業務だ。同様に債権管理は取引先の与信管理やキャッシュフローの把握のためにも重要だ。ミスや不正をなくすためには業務の自動化は欠かせない。今回の記事で紹介したような債務管理・債権管理システムを上手に利用して、企業成長に役立ててほしい。

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