doda転職求人倍率2023年9月は2.39倍(前月差+0.01ポイント)求人数は2カ月連続で過去最高を更新

パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」(編集長:加々美祐介)は、2023年9月の転職求人倍率をまとめた「doda転職求人倍率」を発表した(doda転職求人倍率は、中途採用市場における需給バランスを表すもので、dodaの会員登録者(転職希望者)1人に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値)。
転職求人倍率
2023年9月の転職求人倍率は、前月から+0.01ポイントの2.39倍となった。求人数は前月比102.3%、前年同月比127.0%となっている。転職希望者数は前月比102.0%、前年同月比111.9%であった。
求人数増加率
求人数は、業種別では12業種(「その他」は除外)のうち10業種で前月から増加。最も増加率が大きかったのは「エネルギー」(前月比106.1%)、次いで「人材サービス」(前月比104.7%)となった。職種別では11職種(「その他」は除外)のうち9職種で前月から増加し、増加率が最も大きかったのは「事務・アシスタント」(前月比106.0%)、次いで「エンジニア(機械・電気)」(前月比105.8%)となった。
求人増加率が最も大きい「エネルギー」では、2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けた再生可能エネルギーに関わる事業開発に伴い、電力会社で企画・開発職の求人が増加。次いで増加率が大きかった「人材サービス」では、技術者派遣を行う企業で求人が増えている。企業の労働力不足への対応や業務効率を目的とした旺盛なDX需要を背景に、エンジニア需要がさらに高まっていることが背景にあると言えるだろう。

10月以降の見通し
10月の求人数は、構造的な人材不足と経済活動回復による事業拡大を背景に、企業の採用意欲の高まりは継続すると考えられるため、増加が見込まれる。特にインバウンド回復と年末年始商戦を見越し「レジャー・外食」の求人数は一段と強く伸長すると推測される。転職希望者数も、11月までは翌1月入社に向けた転職活動を開始する人の動きが続くため、増加すると思われる。転職希望者数よりも求人数の増加幅のほうがやや大きいと思われるため、転職求人倍率は微増するだろう。
まとめ
同社によれば、9月の求人数は前月比で増加し、本定義で転職求人倍率を算出した2019年1月以降で過去最高値となっており、2カ月連続で過去最高を更新したことになる。
総務省統計局が調査した2023年8月の労働力調査では、完全失業者186万人と前年同月に比べ9万人の増加でこれは2カ月連続の増加となる(※1)。その中でも「自発的な離職(自己都合)」が11万人増加しており、就業者数も13カ月連続で増加している面も考えると転職希望者は今後も増加していくことが予測される。
※1出典元:労働力調査(基本集計)2023年8月分