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中小機構、専門家派遣による事業継続力強化計画の新規策定支援を開始

2024.07.10

独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下:中小機構)は、簡易版BCPである事業継続力強化計画の新規策定を希望する中小企業・小規模事業者(以下:中小企業者)を対象に、防災・減災の専門家による計画策定・申請支援(ハンズオン支援)を開始した。

事業継続力強化計画の新規策定を無料でサポート

自然災害の頻発・激甚化、サイバーリスクなどが、事業環境に急速な変化をもたらしており、中小企業において事業継続力の強化がより重要視されるようになった。そこで政府は、防災・減災に取り組む中小企業がその取組内容をとりまとめた「事業継続力強化計画」について、認定制度を創設。認定を受ければ税制優遇や金融支援、補助金の加点など、さまざまな支援策が受けられるようになる。

今回中小機構が発表したのは「事業継続力強化計画」の新規策定から認定支援までをサポートするハンズオン支援。無料で専門家を派遣し、1事業者あたり4〜5回の個別支援を実施する。費用は無料だ。ただし、本支援は中小機構の公募であり、支援を受ける事業者は審査により決定される。公募期間は12月末までを予定しており、全国で1000社の募集となっている。

詳細:事業継続力強化計画新規策定 専門家派遣特設サイト

事業継続力強化計画の認定制度とは

中小企業の自然災害等に対する事前の防災・減災対策を促進するため、2019年7月から施行されているのが「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律(以下:中小企業強靱化法)」である。この法において、防災・減災に取り組む中小企業が策定した「事業継続力強化計画」を国が認定する制度が創設されている。

なお計画に記載する項目の事例は以下の通り。
ハザードマップ等を活用した自然災害リスクの確認方法
安否確認や避難の実施方法など、発災時の初動対応の手順
人員確保、建物・設備の保護、資金繰り対策、情報保護に向けた具体的な事前対策
訓練の実施や計画の見直しなど、事業継続力強化の実行性を確保するための取組

認定を受けた中小企業者は、認定を受けた日から同日以後1年を経過するまでに、計画に記載された対象設備の取得等を行って事業に使用すると、特別償却18%の税制措置を受けることができる。そのほか、低利融資や信用保証枠の拡大等の金融支援、補助金における加点など、認定を受けた中小企業者にはさまざまな支援策が用意されている。

BCPはじめの一歩 事業継続力強化計画をつくろう!(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)

まとめ

中小企業のための簡易なBCPと位置づけられる「事業継続力強化計画」は、緊急時に備えた事前対策をとりまとめたもの。自然災害や感染症、サイバーテロなど、事業を取り巻くさまざまなリスクに平時から備えられるよう、積極的な策定が求められる。

しかしいざ策定しようと思っても、どこから手をつけていいか、そもそも何を記載すればいいかわからないという企業も少なくないだろう。無料で専門家派遣による支援が受けられる今回の取り組みは、ぜひ活用していただきたい。

認定及び税制優遇を受けられる中小企業者の規模などは「事業継続力強化計画認定制度の概要」で確認ができる。認定後に支援策の活用を検討している場合は、事前に詳細を確認しておくといいだろう。

参考:事業継続力強化計画(中小企業庁)