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「年収」における実態と意向のギャップは「105万円」 博報堂調査

2025.01.16

株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表:水島正幸)は、博報堂生活総合研究所にて実施した「働くことに関する意識調査」の結果を発表した。同社は「働く」を取り巻く環境について、変化の過渡期にあると指摘。そのなかで生活者の「働く」に関する意識や価値観を把握するため本調査を実施した。

調査概要

調査地域:全国
調査手法:インターネット調査
調査対象:20~69歳の男女 有職者 5000人
調査時期:2024年10月31日~11月5日
企画分析:博報堂生活総合研究所
実査集計:QO株式会社
出典元:博報堂生活総合研究所 「働くことに関する意識調査」の最新結果を発表(株式会社博報堂)

働き方の「自由度」と「年収」における実態と意向のギャップ

働き方の「自由度」と「年収」における実態と意向のギャップ

本調査結果を見ると、働き方に関する事柄のうち「現在自由に決められる」という実態に対し「今後自由に決めたい」という意向が10pt以上大きかったのは「日数(+17.2pt)」「時間帯(+15.4pt)」「時間数(+14.1pt)」「曜日(+13.3pt)」「内容(+12.2pt)」「場所(+11.5pt)」であったことが報告されている。

一方、実態と意向で大きな差がみられなかったのは「仕事の進め方(+0.2pt)」「休憩時間(+0.3pt)」「服装・髪型(+1.9pt)」「休暇取得(+3.7pt)」などだという。

なお「時間帯」「日数」「曜日」などの自由度で、実態と意向のギャップが最も大きいのは30代だという。さらに、20-30代の若手は「服装・髪型」「在籍部門・部署」の実態と意向のギャップが中高年より大きいこともわかった。

また、20-69歳の有職者では現在の年収の平均が423万円なのに対し、今の働きに見合っていると考える年収の平均は528万円であることも判明。生活者は、現在の年収は自分の働きに対して「105万円」分足りていないと感じていることがわかった。

年代別の分析では、現在の年収と今の働きに見合った年収のギャップが最も大きいのは20代の「117万円」で、最も小さいのは60代の「88万円」となったことも報告された。

本調査では「働き方」についても、実態と意向の差について分析している。差が大きいものとしては「会社を超えて社会と関わる(+15.9pt)」「会社の中で自分で仕事をつくる(+15.7pt)」「社会に貢献する(+14.4pt)」が上位であった。

まとめ

働くことに関する実態と意向にさまざまなギャップが存在していることが明らかになった。特に若い世代ほどそのギャップは大きいようだ。

働き方や年収に関する実態と意向のギャップは、仕事への満足度に大きく影響すると考えられる。生産性の向上や離職防止に向けて従業員の満足度を高めたいと考えるのであれば、まず現状に対して従業員がどのようなギャップを抱いているかを知ることが大切だろう。

働き方の自由度や年収については、そのギャップをすぐに解消することは難しいかもしれない。しかし、働き方に関するギャップとして多く挙げられた「社会との関わり」については、すぐに改善できる部分もあるのではないだろうか。例えば、既存の取り組みについて広く周知することで、自身の仕事が社会にどうつながっているか再認識してもらうこともギャップの解消に有効だろう。また、企業の社会貢献活動事例を紹介する経団連1%クラブのサイトを紹介するので、新たな取り組みを検討する際にはぜひ参考にしていただきたい。

参考:企業の社会貢献活動のホームページ集